拡大するオスプレイの定期修理、木更津で(3)

今のプランが大変わりした、米軍オスプレイの修理

2021年度(2020年10月1日〜)から始まる、オスプレイの新たな修理計画にのっとった修理業者の募集が、この5月から始まっている。
現在、スバルが請け負っている修理作業の修理計画は、2017年1月から始まり、1社が一か所で年間5〜10機程度を修理して、1機の整備期間は3〜4か月程度、というものだった。
それが計画通りにはいかず、修理が大幅に遅れている。一機目の修理が完了したのは2019年3月だから、2018年には、最初の計画通りにオスプレイの整備が進まないことは、 米軍も当然認識していたはずだ。

実は、今年の5月に募集をはじめる1年半前の2018年12月に、米軍は新たな修理プランの大まかな内容を公告した。そして2019年2月に、契約に関心がある5社を集めて、厚木基地で 説明と質疑応答の会を開いている。

2018年12月に発表した修理プランは、2017年1月から始まる修理プランとは、仕切り直しともいうべきほどの違いがあった。なぜか、契約者の決定まですすまなかったこの仕切 り直しのプランは、今年の5月に米軍が改めて公告した修理プランに近いものだった。

今、スバルが行っている修理プラン、18年12月の新プランの概要、そして今年5月に米軍が公告したプランを比較してみた。


19年2月に開かれた新プランの説明と質疑応答の会では、「提案要求」(RFP)は19年9月〜10月の間に出す、と米軍は集まったオスプレイ修理契約に関心を持った会社の担当者 の前で語っていた。しかし19年10月になってもRFPは出なかった。

2019年5月に防衛省が木更津市に、陸自オスプレイの木更津暫定配備を申し入れた。その後、市議会、住民説明会などが相次いで行われる中で、米軍オスプレイの修理拡大と格納庫の 建設などは、とても言い出せないと観念したのだろう。2019年末に木更津市長が日の丸オスプレイの暫定配備容認を発表すると、ほとぼりの覚めるのを待って、米軍のRFPが公告 された、というのが米軍・防衛省の「チームプレイ」ではなかっただろうか。

半年以上遅れて出されてきたRFPは、特に木更津基地の利用を推進する防衛省の狙いをさらに盛り込みやすくしたものだった。(続く)

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


2020-6-29|HOME|