拡大するオスプレイの定期修理、木更津で(6)

海軍オスプレイの定期修理は8機


会計年度ごとのMV−22とCMV−22の定期修理の機数(再掲)

海軍用のオスプレイCMV−22の修理の会計年度ごとの修理機数は1機から2機で推移している。どう考えても、横須賀配備の空母ロナルド・レーガンに載る2機だけの修理計画ではない。年間修理機数の推移から、CMV−22をこの修理プランで何機面倒を見るのか、その数をわりだしてみよう。

MV−22とCMV−22は同等の機体と考える、とこの修理プランの「業務記述書」(PWS)の「初めに」(INTRODUCTION)に書かれている。当然、修理期間も同等だ。

では、この海兵隊のMV−22の修理ラインは何本か? これは会計年度ごとの修理する機体が4機だから、修理ラインは4本となる。このプランで想定している1機当たりの修理期間を X 年とすると、オスプレイは5年に一回修理に回す、という前提だから、5 + X 年経過したら、次の修理に入る必要がある。修理ライン1本あたりの整備機数は、普天間の機数24機をラインの数4で割った6機となるが、この6機を連続して修理するのに必要な年数は、6× X 年となる。

つまり、
6× X ≦ 5 + X

という不等式を満たすXの範囲内に修理期間が収まらないと、例示されたスケジュール通りには修理が進まず、5年過ぎても修理待ちの機体が発生することになる。上記の不等式の解は

X ≦ 1 

だ。つまり、1機当たり1年で仕上げないと、年間4機の修理という計画が「絵に描いた餅」になる。

ここからが、CMV−22の修理目標値の算出、ということになる。米軍は、何機のCMV−22を今回のプランで木更津などで修理するつもりか、その機数の算出だ。

直感的な方法でやると、修理期間が1年だから、5年+1年の6年で修理が一回りするはずだ。FY23からFY28までの6年間の機数の合計は8機。(初めの会計年度をずらしても、全部8機になる)

つまり、米軍が今回の修理プログラムで米海軍オスプレイCMV−22を、業者を募集して木更津などで修理する母体のグループの機数は8機だ。普天間のMV−22の機数が24機だから、3分の1増(33パーセント増)ということになる。(続く)

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


2020-7-7|HOME|