緊急着陸が多すぎる、三沢のF16


着陸したF16(WW 824)は、空自や米軍の緊急車両に包囲された(4月20日撮影)


このF16(WW 824)は、前日にも着陸後自力で動けなくなり、牽引されてシェルターに戻った(4月19日撮影)

しばらくぶりに三沢基地を見て、米軍F16の緊急着陸の多さに驚いた。4月20日に緊急着陸したF16は、三沢の第35戦闘航空団第14戦闘飛行隊(14FS)に属する機体だ。

実はこの前日、まったく同じ機体が、着陸後ローディングエリアまでタクシーしたあと、自力で動けなくなり牽引車に引かれて戻って行った。その機体が翌日また飛んで、こんどは緊急着陸という事態を引き起こした。14FSの、第35戦闘航空団の整備態勢はどうなっているのか疑問だ。

その翌日、また14FSのF16が緊急着陸した。4機編隊で離陸したうちの一機で、消防車が着陸地点近くに待機し、着陸と同時に小型車両が滑走路に入り、当該機を追いかけていた。緊急着陸への対応が終了した後、同じ編隊の別の一機も僚機にエスコートされて戻ってきた。これも14FSの機体で、何らかのトラブルがあったと思われる。

21日はもう一回F16の緊急着陸があった。ニューメキシコ州キャノン基地から4ヵ月の予定で派遣されている第523戦闘飛行隊所属機(CC 246)が、2時間後に緊急着陸した。この機体は、対地誘導ミサイルマーベリックの摸擬弾を抱えていた。

こんなに頻繁に緊急着陸が起きるのは尋常な事態ではない。緊急着陸とは、あと一歩間違えば墜落などの重大事故につながりかねない事態だ。機体の老朽化、不充分な整備態勢、戦時中の無理な態勢の積み重ねなどの要素が集積されているのだろう。基地周辺の住民にはわからないところで、このような事故一歩手前の状況が繰り返されている。

(RIMPEACE編集部)


緊急着陸したF16(WW 808)(4月21日撮影)


緊急着陸したF16(CC 246)(4月21日撮影)


(左)待機する消防車、(右)緊急着陸した機体を追う緊急車両(4月21日撮影)


2005-4-23|HOME