F16、イラク向け訓練を三沢基地上空で実施


三沢基地や三沢市街地上空を、このようなパターンを描いてF16が飛んでいる
(三沢市発行の「三沢市の在日米軍基地と自衛隊基地」の中の図を利用)


イラク向けの特別任務で上空を旋回するF16(07.5.10 撮影)

5月上旬の三沢基地で、F16が妙な飛び方をしていた。三沢基地上空を、市街地まではみ出して旋回飛行をしている。 2機が少し距離を置き同時に旋回する。一回の旋回が1分40秒ほどだ。飛行高度は1500メートルから3000メートルだろうか。
およそ45分旋回すると上空から移動し、その後着陸する。 これを繰り返し何機も飛ぶから、三沢基地周辺にはずっと、高空からのジェット音が降り注いでいた。

三沢の第35戦闘航空団は、2つのF16飛行隊(13thFSと14thFS、FSは戦闘飛行隊の略)を指揮下に持つ。このうちの 14thFSが現在イラクに派遣されている。バクダッド北方のバラド基地に展開している14thFSに代わって13thFSが 5月末までに派遣される(5月1日付星条旗新聞)

F16の基地上空旋回がイラク向けの訓練だということは見当がつく。しかし、時々対地攻撃の動きを見せるでもなく、 ずっと旋回したままなのはどういうわけだろうか?
同紙の5月10日付けの記事「三沢の部隊がキャンプ・レッドクラウドの管制官とチームを組む」に、その答えが出ていた。
F16のパイロットと管制官をリアルタイムのビデオ・リンクでつなぎ、敵がどこにいるかを(地上で)見えるようにする。 F16のターゲティング・ポッドで得られる映像が管制官の小型のディスプレイに送られる。
「三沢での訓練は、パイロットが操縦席でのこれらのツールの操作に慣れるためだ」と地上管制官の軍曹は語っている。

まさに最前線の偵察活動といえるが、基地を大きくはみ出して監視飛行しているF16から送られる映像では、三沢市民たちが敵の代わり となっているのではないだろうか。
また、この訓練を行っている空域は、三沢基地離発着の航空機が通過する可能性がある空域だ。 その分、事故の危険性が増えているともいえる。

(RIMPEACE編集部)


2機編隊で三沢基地の滑走路上を通過するF16


上の写真の拡大。記事中のターゲティング・ポッドではないだろうか? (07.5.7 撮影)


'2007-5-12|HOME|