イラク行きの前、激しい訓練を繰り返す三沢F16


アフターバーナーを点火して離陸するF16(07.5.9 撮影)


三沢基地の滑走路上空で、2機で「追いかけっこ」を繰り返すF16(07.5.9 撮影)

久しぶりに三沢空港の展望台からF16の飛行を見たとき、こんなにやかましい機体だったか、 と思わず顔をしかめてしまった。
その原因のひとつがアフターバーナーの多用だろう。

ジェットエンジンの燃焼室から流れてくる高温・高圧の排気に、燃料を噴射・燃焼させることで、さらにエンジンの推力を増すのが アフターバーナーだ。機体を後ろから見たときに、排気口がオレンジ色に見えるのは、アフターバーナーを作動させているときだ。

こんなシステムを使わずに、楽に離陸できるだけの長さを、三沢の滑走路は備えている。現にアフターバーナーを使用せずに 離陸する機体も半分はある。三沢に比べてはるかに高温の地で、短い滑走路でも危なげなく離陸できるように、推力アップで飛ばす 訓練なのだろうか。

軍用機の事故は、遠征前に密な訓練スケジュールを消化している過程で起きやすい。普天間基地のヘリCH53が沖国大に墜落したのも、 イラクに向けて出発する揚陸艦エセックスに展開する直前だった。
訓練を終えて着陸した1機のF16が、誘導路の途中で動けなくなった。整備が万全でも事故は起きる。イラク展開に向けて激しい訓練を繰り返す F16が、大きな事故を起こさない保障はない。

(RIMPEACE編集部)


訓練が激しいと、機体の故障の頻度も上がる。着陸後、誘導路で
「エンコ」、牽引されて格納庫に戻るF16(07.5.10 撮影)


'2007-5-15|HOME|