三沢のF16、空中衝突


4機編隊で離陸準備中のF16(2000.8 三沢基地)


F16のタイトな4機編隊。これだけくっついて飛べば...


日米合同演習キーンスウォードに参加していた三沢基地第14戦闘飛行隊のF16が2機、奥尻島の南、大島上空付近で空中接触して墜落した。4機編隊のうちの2機で、11月13日朝離陸して日本海上空の訓練空域に向かった機体だった。
この日、三沢基地からは4機編隊のF16が2回、大島付近を目指して離陸している。この付近は三沢のF16の戦闘訓練が集中している。また、大島より陸地寄りの小島の上空は、低空飛行ル−トの北方ル−ツ(複数)のうちの一つで、上ノ国町の小学校を爆撃目標に飛行したル−トの経由地点となっている。「F16の銀座通り」とも言うべき空域で事故は起きた。
キーンスウォード演習に参加するために三沢基地に展開した海兵隊のFA18も、第一波のF16と同じ空域に向かい、訓練実施後三沢に戻ってきた。再給油後また同じ空域に向かおうとして、この事故によるキーンスウォードのキャンセルを通告されることになる。
太平洋空軍の発表によれば、行方不明のパイロットの捜索のために、自衛隊、海上保安庁、米空軍、第5空母航空団から30機の航空機が動員されたという。キーンスウォード演習の一環として、11月8日に計画されていたが天候不良で中止となった海上捜索救助訓練が、5日後に不幸な形で本番になってしまったのだ。秋田沖まで北上していたと見られるキティーホークの艦載機E2Cが、事故後に三沢に飛来して、また直ぐに空母に戻ったのも、捜索活動に関する打合せや、キーンスウォード演習のその後の展開の変化を打ち合わせるためだったのではないだろうか。
4機編隊のうちの2機が墜落した。あとの2機は三沢に戻ったのだろうが、その2機は損傷を受けていなかったのだろうか。99年1月に岩国のFA18が空中給油中に接触して墜落したとき、相手方のFA18が尾翼を大破しながら辛うじて岩国に帰着した。事故報告書に添付された写真を見て、よくこれで飛べたものだ、と驚いた記憶がある。基地周辺に墜落して二次被害を出す危険性は常につきまとうのだ。今回の事故も、あとの2機の状況や事故原因の開示が早急に必要だ。


'2000-11-19|HOME|