エセックス、普天間のヘリを乗せて中東へ



ホワイトビーチの沖合いで輸送ヘリCH46を積むヘリ空母エセックス。艦上にはUH1,CH46が見える


エセックスに回収されるLCAC。3隻が中城(なかぐすく)湾内で訓練していた。(04.8.20 撮影)

8月20日、エセックスはホワイトビーチを出港して沖合いへ。そこで、普天間基地から飛来した海兵隊のヘリを次々と甲板に乗せていった。UH1,AH1,CH46の3機種で、13日に墜落事故を起こしたCH53大型輸送ヘリだけが普天間基地にとどまっていた。
ヘリの回収作業のあと、エセックスは中城湾外に出ていった。

ホワイトビーチには、12日に佐世保から揚陸艦ハーパーズフェリーが寄港、14日午後にはエセックスも寄港した。東南アジアで行われていたCARAT演習に参加していた揚陸艦フォートマッケンリーも同日午前に寄港し、ホワイトビーチの桟橋は揚陸艦3隻が停泊する状態だった。さらに、佐世保では揚陸艦ジュノーが出港準備をすすめ、ホワイトビーチに向かう寸前だった。

もし事故が起きていなければ、翌日にでもCH53Dを含む全ての機種を沖縄近海で回収して、中東方面に向かうはずだったと思われる。事故後に、CH53D以外の飛行禁止措置をとらなかったのは、中東派遣のスケジュールが既に決まっていて、出発を急いでいたからだ。

普天間基地を包囲する厳しい怒りの視線にもかかわらず、19日には普天間基地でいっせいにヘリがエンジンを始動させ、翌20日に中東派遣のためにエセックスに飛来した。
エセックスに載っていないのはハリアーとCH53だけだ。ハリアーは嘉手納で待機中とのことだ。残るCH53は軍用車両の吊り下げ輸送もこなす、重量物運搬用のヘリだ。これを欠いたまま戦地に赴けば、エセックスを中心とする海兵隊部隊の作戦は大きな制約を受ける。

今回の事故調査の結論が出るまでCH53Dの飛行を飛行をさせないのは、最低限の必要条件だ。しかし米軍はそれまで待たないだろう。さまざまな理由をつけて、普天間に残っている事故機の同型機CH53Dを飛ばそうとするだろう。米軍の虚構を暴いていくことも、今後ますます必要になっていく。

(RIMPEACE編集部)


14日午後のホワイトビーチ。手前からハーパーズフェリー,フォートマッケンリー,エセックス(04.8.14 撮影)

'2004-8-21|HOME|