事故機と同型のCH53D、普天間からエセックスへ

8月22日、大事故を起こして点検作業が続いていた普天間基地の大型輸送ヘリCH53Dが6機、沖縄近海の揚陸艦エセックスに向かった。

8月20日には、ホワイトビーチの沖合いでCH53D以外のヘリを積みこんだが、CH53Dは普天間におかれたままだった。今回の飛行開始は、CH53Dが普天間から飛んでいける距離にエセックスがいるうちに、というのが見え見えのタイミングだった。安全検査は2の次で、米軍の軍事展開の都合が全てを決めたといっていい。

「8月13日に宜野湾市で起きたCH53Dの事故調査の初期フェーズでは、 事故の原因はこの事故機体に固有のものだった、という結論を得た。 テールローター部分の部品のうち、小さな保持部品が失われて、テールローターの制 御が出来なくなった、と事故調査の初期フェーズでは明らかにしている。」

これは、当日海兵隊が発表した文の一部だ。部品がなくなったから事故が起きた、と言うだけでは、事故調査とは言えない。今後同じ事故を起こさないために、なくなった原因を調査してはじめて安全確認の第一歩と言えるのだ。

応急チェックだけで事故機の同型機を飛ばすのは、戦争を行っている軍隊の論理だ。そこには、沖縄をはじめとする基地周辺住民への配慮など、無いに等しい。基地があれば、戦争の論理がまかり通る。周辺住民の安全を守るために、政府、自治体がなすべきことは、普天間基地の撤去しかない。

(RIMPEACE編集部)


住宅密集地の上空を飛行し、普天間基地に向かうCH53Dの2機編隊(04年6月 宜野湾市で撮影)

'2004-8-24|HOME|