ヘリがいない普天間基地


普天間基地を見下ろす定番のアングル。いつもと違うのはまったくヘリが見えないこと(2005.1.17 撮影)


CH53の修理格納庫。中に入っているはずのヘリは、目をこらしても見えなかった(2005.1.20 撮影)

一週間近く沖縄本島にいて、米軍のヘリコプターを一度も見なかった。わざわざ見に行った、普天間基地のCH53修理格納庫も、ドアが半分開いていたが中にヘリの姿は見えなかった。宜野湾市基地渉外課の方の話しでは、一週間前には2機のCH53Dが格納庫の前に引き出されているのを確認したが、それ以来飛んだという情報はない、とのことだ。格納庫の扉の陰に隠れているのか、それとも普天間基地内の別の場所にいるのだろうか。

2機のCH53Dは別にして、その他のヘリは過半数がエセックスに搭載されてイラクに行っている。残ったCH46などもスマトラ沖地震・インド洋大津波の被害者救援のために東南アジアに出かけていて、ヘリ基地普天間を見下ろしてもどこにもヘリの姿は無かった。

大津波発生後に、沖縄経由で被災国に出かけた艦船は、佐世保の揚陸艦フォートマッケンリーと、那覇が定係港の高速輸送船ウェストパック・エクスプレスだ。沖縄の海兵隊がこの2隻に載って現地に向かったが、そのときに普天間に残っていたヘリも搭載して運んだのだろう。今回のインド洋大津波被害救援に限って言えば米軍は、被災地に空路展開するためという理由をつけての下地島空港の強行利用はしなかった。(在韓米軍のヘリを着陸させようとしたが、撤回した)

ヘリが居なくなれば普天間基地は静かか、といえばそうではない。空中給油機KC130が、よその基地では見られないほど民家の屋根ギリギリの低さでアプローチしてくる。18日には嘉手納に居るP3Cが、普天間基地でタッチアンドゴーを繰り返していた。

昨年十月に空中接触事故を起こした原因は、F15パイロットのミスだった、という米軍の事故報告が、1月18日の地元紙で一斉に報道された。その直後の20日、普天間基地上空(つまり宜野湾市など住宅密集地の上空)をF15の2機編隊が何度も通過しているのを目撃した。毎日そんな体験をしている沖縄の人々にとって「操縦士のミスでしたか、ハイそうですか」というわけには絶対にいかない問題だ。

(RIMPEACE編集部)


普天間基地の上空を通過するF15戦闘機の2機編隊。1時間の間に何度も飛行した(2005.1.20 撮影)


ヘリが居なくても危険性は大だ。文字通り住宅スレスレに降りてくるKC130空中給油機(2005.1.20 撮影)


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