海兵隊CH46ヘリ6機が普天間に戻ってきた


普天間基地に着陸したCH46。ホワイトビーチに入港した揚陸艦フォートマッケンリーから飛来した(2005.3.3 撮影)

3月3日昼、スマトラ沖大津波被害の救援に出ていた海兵隊のヘリが普天間基地に戻ってきた。昨年8月のヘリ墜落事故の直後に大挙して出かけた部隊とは別で、高速輸送艦ウェストパック・エクスプレスと揚陸艦フォートマッケンリーに乗り、タイ方面に展開した。

このまま戻ってくるな、という宜野湾市や周辺自治体・住民の願いにもかかわらず、またヘリ墜落現場となった沖国大の入学試験の最中に普天間基地に飛来するという、大ヒンシュクものの帰投だった。いま、ペルシャ湾から3隻の揚陸艦で引き揚げてきている31MEUの大部隊の帰還も含めて、普天間基地での飛行を即時に停止せよ、という切実な要求に逆行する動きだ。

今回のヘリの帰投は、下地島の米軍強行利用問題との関連でも注目していいのではないか。
大津波の直前に、この普天間のヘリはフィリピンに行っていた。集中豪雨被害者救援のためだ。このとき、給油中継地として、下地島空港を地元の反対にもかかわらず往復とも使用した。軍事使用はさせないという「屋良覚書」に基づき、沖縄県も使用自粛を求めていたが無視された。
飛行レンジが180海里と短いCH46は、遠征の際は船で運ばれるのが合理的だ。下地島を米軍が利用するたびに、なぜ揚陸艦や海兵隊がチャーターしている高速輸送艦を使わないのか、という声が起きる。今回の津波被害救済活動で示されたように、ヘリを陸地伝いに飛ばさなくても災害救助のための迅速な展開は可能だ。

下地島を使わずに展開した今回の米軍ヘリの動きで、災害救助などの名目で強行使用していた米軍の下地島空港利用の根拠は否定された。
米軍が下地島空港を強引に利用しつづけるのは、台湾海峡の緊張などの事態に備えて、台湾により近い、そして大型機も発着出来る空港の利用実績を積み重ねるため、というのが本当の狙いだ。米軍のトランスフォーメーションにかかわる日米の交渉の中で、米側は交換条件として下地島空港を基地として使用することを求めてくるだろう。復帰前から、下地島空港の軍事利用を認めてこなかった沖縄の人たちの反戦の願いを逆なでする動きだ。

(RIMPEACE編集部)


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