下地島空港を訪ねる



下地島空港管制塔と訓練用のB767(JAL)(2005.3.18 撮影、以下同じ)

宮古島から高速船で15分の伊良部島に渡った。目指す下地島空港のある下地島は、伊良部島とは地続きのような島だ。
普天間代替基地の候補として、この下地島空港が浮かび上がってきている。嘉手納から台北まで約650kmなのに対して、下地島と台北間は約380kmだ。しかも3000メートルの滑走路があるとなると、米軍が台湾海峡有事の際の発進基地として是非利用したいと思っても不思議はない。

下地島空港は民間航空のパイロットの訓練施設として作られた。79年から運用を開始して現在に至っているが、最近はシミュレーター利用の訓練が増えて、実機による下地島での訓練は減ってきているという。
復帰前の71年に、軍事利用は認めないという屋良確認書を琉球政府と日本政府の間で、また復帰後の79年に沖縄県が西銘確認書を日本政府と、それぞれ交わしている。

3月18日は、JALのボーイング767型機が1機、午前中からタッチアンドゴーを繰り返していた。写真でもわかるように視界は悪いが、そんなことは意に介さないように訓練を行っていた。
また、国土交通省航空局所属のサーブ2000型機がフライトチェックを繰り返していた。

下地島を一周するのはそんなに時間はかからない。ただ、珊瑚礁を埋め立てた滑走路の北端あたりで、まともに30ノットの北風を食らうと、レンタサイクルのママチャリではつらいものがある。
川みたいな細い水路を渡った伊良部島には町役場があり、道のあちこちには「下地島空港の軍事利用反対」の看板が電信柱に括り付けられていた。この日は、伊良部町を含む5市町村が「宮古島市」として合併することを、それぞれの議会で議決する日だった。2日前に自衛隊誘致に賛成した議員が合併に反対して、伊良部町だけが合併から離脱する形になった。

(RIMPEACE編集部)


タッチアンドゴーで上昇するJAL機B767。朱色の枠はローカライザー


滑走路北側には、アプローチライトの列が珊瑚礁の上に突き出ている


滑走路の南側のアプローチライトは、陸上にある。接地直前の機体は、航空局のSAAB2000


伊良部島の道路には、軍事利用反対の看板があちこちにあった

'2005-3-20|HOME|