嘉手納のWC135、20日ぶりに飛行


離陸のため移動するWC135観測機。主翼付け根の上の空気採り入れ口から大気中のチリを収集する(05.7.5 撮影)

7月5日、およそ20日ぶりに嘉手納からWC135観測機が離陸した。原子炉の燃料棒を再処理すると大気中に微量放出されるという放射性物質について、大気中のチリを収集してその有無を調べるという、きわめて特殊な任務の機体だ。以前はWC135は米軍に10機ほどいたようだが、今は嘉手納に展開する1機のみだ。

空中給油機を連れて北上したと見られるから、長時間の本格的な飛行と見て間違い無い。ただ、この一回の飛行だけで、北朝鮮の核開発について、アメリカが何か新しい疑問をいだいたとは言えないだろう。

もちろんこのWC135は、北朝鮮の核開発のデータを収集するために、嘉手納で何ヵ月もスタンバイしている機体だ。それに関係する飛行であることは間違い無い。今後の嘉手納からの飛行の頻度が増えれば、アメリカが何か新たなこと疑っている兆候といえる。もし頻度が増えなければ、状況の変化に即応した動きではなく、バックグラウンド・データ収集などのために今回飛行した、ということになろう。

電子偵察機の巣でもある嘉手納基地は、国際情勢にビビッドに反応する在日米軍基地の中でも、その最右翼に位置している。

(RIMPEACE編集部)


離陸するWC135。手前は、WC135に給油するためについていくKC135(05.7.5 撮影)


'2005-7-9|HOME|