滑走路上でAWACS立往生。嘉手納の離着陸ストップ


嘉手納基地の05R滑走路の中央付近で動けなくなったE3早期警戒管制機。手前の滑走路は工事中。


人の歩くスピードでゆっくり牽引されるAWACS。第3エンジン(手前から2つ目)を、兵士がずっと注視していた(9月13日撮影)

9月13日10時過ぎに、嘉手納基地にE3が緊急着陸した。目撃者によれば、緊急着陸のあと、ブレーキに異常を起こして、滑走路の途中で止まってしまった。緊急着陸の原因は、後の措置などを考え合わせるとエンジントラブルの可能性が高いが、着陸制動時のギアトラブルが重なって、故障機を滑走路から出す作業に時間がかかっていた。

嘉手納基地では、この前日の12日から手前の滑走路が補修工事に入っていて、2本ある滑走路のうちの1本しか使えない状態だった。その1本がAWACSの立往生で使えなくなり、固定翼機の離発着がまったくできなくなった。

そのとき訓練空域に行っていたF15,F16,FA18のファイター10機以上が、燃料切れのおそれから普天間基地に着陸した。戦闘機の時ならぬ大量飛来に、普天間基地周辺の住民は驚かされた。

滑走路から故障機が運び出され、嘉手納基地の滑走路がオープンしたのは11時45分ころで、緊急着陸から1時間半以上たっていた。普天間にいったん降りた戦闘機は、16時ころまでに嘉手納に戻ってきた。

恐ろしいのは、この日の緊急着陸がこの一件だけではなかったことだ。F15が朝、またAV8Bが昼過ぎにそれぞれ緊急着陸した。翌日の14日にも、緊急着陸が2件あった。頻度があまりにも高すぎる。大事故1歩手前の緊急着陸が、これまで以上の頻度で繰り返されている恐ろしさが、今の嘉手納基地にはある。

(RIMPEACE編集部)


滑走路から出たあと、緊急車両に囲まれる嘉手納のF15戦闘機(9月14日撮影)


HH60救難ヘリの緊急着陸地点に急行する緊急車両(9月14日撮影)


'2005-9-18|HOME|