嘉手納のF15、訓練再開はトラブル再開


離陸をあきらめて移動するF15 (1.19 撮影)


嘉手納基地上空を、給油ブームを下げたまま通過するKC135空中給油機 (1.19 撮影)

1月17日に墜落したF15戦闘機の事故に対して、沖縄県は事故原因が究明されるまで同戦闘機の飛行中止を、在日米軍に求めた。しかし嘉手納の第18航空団司令官は「全ての航空機は検査を受け、安全あることが確認された」としてF15の飛行訓練を2日後の19日に再開した。

再開したとたんに、F15はトラブルが相次いだ。離陸前のチェックで異常が見つかり、離陸を止めた機体が相次いだ。中には、牽引されてハンガーに戻る機体もあった。

また、KC135空中給油機も第18航空団の所属だが、そのうちの1機が、給油ブームを下げたまま基地上空を通過した。通過後にブームは通常の位置に戻ったが、これが戻らなかったら、そのまま緊急着陸せざるを得ない事態だった。

「全機の安全を確認した」と言ってもこの始末だ。一体どんな安全確認をしたのだろうか。飛行再開を再優先にして、事故後2日で飛べるように検査を間に合わせた、としか思えない。
米軍はトラブルを起こしても、地元の抗議や迷惑を無視して、軍隊の論理を貫こうとしている。たった2日間での飛行再開は、その現れだ。

第18航空団の所属機ではないが、嘉手納基地に展開する海軍のP3Cが、F15の墜落事故の4時間後に緊急着陸した。第1エンジンを止めて着陸し、緊急車両がタクシーしてきたP3Cに近づき、レスキュー隊員が機体の点検を行っていた。

(RIMPEACE編集部)


第一エンジンを止めて緊急着陸した米海軍のP3C対潜哨戒機 (1.17 撮影)


'2006-1-21|HOME|