「テポドン発射」監視と在日米軍基地・海自基地

北朝鮮の弾道ミサイル「テポドン2」の発射可能性の情報が飛び交っている。ミサイル実験監視の米軍の拠点となっている在日米軍基地や海自基地の現時点での動きをまとめてみよう。

沖縄・嘉手納基地には、5月27日朝、ミサイル実験監視機RC135Sが飛来した。飛来後数日に一度は飛行していたが、15日早朝からは連日長時間の飛行を続けている。2組のクルーが交代して搭乗しないと持たないペースだ。
なお、RC135Sより10日ほど前に嘉手納に飛来した大気観測機WC135は、嘉手納にとどまってはいるがほとんど飛行してはいない。米軍の監視の目は、核開発よりはミサイル発射に向けられているとみてよい。

ミサイル実験監視艦オブザベーション・アイランドは、5月22日に短い航海から佐世保に戻ってきたが、5月26日に再出港し、そのまま戻って来ない。
米軍は5月25日か26日に、発射に向けた情報をつかみRC135Sとオブザベーション・アイランドを投入したのだろう。

ミサイル防衛の「予行演習」で、探知方として海自のイージス艦も2隻動員されている。17日付け産経新聞によれば、秋田沖に佐世保の「ちょうかい」、もう1隻が三陸沖に待機するとのこと。
横須賀の「きりしま」はMD実験でハワイ沖に行っているので、残りは佐世保の「こんごう」と舞鶴の「みょうこう」の2隻だ。「こんごう」が17日から佐世保を出ているので、佐世保の2隻のイージス艦が、米本土コースを飛んだときのために、コースの下で探知を狙っている可能性が強い。

米軍艦船の配置としては、オブザベーション・アイランドが展開していれば追跡だけならいいのだろうが、MDで探知と迎撃のリンクを実地にテストするには、イージス駆逐艦が出撃することもありうる。
横須賀の米軍イージス駆逐艦は、3隻(DDG54,56,82)が空母キティーホークに随伴している。 ステゼムはドライドックに入渠中。フィッツジェラルドは14日昼までは横須賀基地の6号バースに停泊していたが、15日朝にはいなかった。
嘉手納のRC135Sの飛行が激しくなったときと一致するから、フィッツジェラルドが日本海のMDステーションに向かった可能性はある。

(RIMPEACE編集部)


'2006-6-18|HOME|