「くじら殺し」のコリー、那覇軍港に短期入港


那覇軍港に停泊中の音響測定艦コリー・ショウエスト(06.11.12 撮影)

横浜ノースドックに音響測定艦インペッカブル、エフェクティブ、ビクトリアスの3隻が同時在港となった翌々日の11月12日、那覇軍港には音響測定艦コリー・ショウエストが入港していた。
コリー・ショウエストは10月14日にグアムに向けて横浜ノースドックを出港している。その後、沖縄近海で潜水艦捜索の任務についていたと思われる。

話は10月下旬の「事件」にさかのぼる。
『米保守系紙ワシントン・タイムズによると、10月26日、沖縄近海で、中国 の「宋級」と呼ばれるディーゼル推進の攻撃型潜水艦が、キティホークの約8キ ロ以内に探知されずに近づいた。海面に浮上したところを、米軍の偵察飛行で発 見されたが、潜水艦搭載の魚雷の射程内にすでに入っていたという。』(2006.11.15 朝日)

潜水艦の探知を担当するのは、主として音響測定艦と空母艦隊とともに行動している原潜だ。
「くじら殺し」のLFAソナーは音響測定艦インペッカブルとコリー・ショウエストに装備されている。
このLFAソナーは、パッシブソナーでは見つけにくいほどに静粛化されたディーゼル潜水艦を、空母への攻撃圏内に入る前に探知するために開発された。
インペッカブルは10月31日から2日間那覇軍港に入港しているのが確認されている。LFAソナー装備の音響測定艦が2隻とも、「事件当日」の10月26日には沖縄近海にいたと推定される。

キティーホークとともに動いていた原潜2隻にも、ディーゼル潜水艦が探知されなかったとしたら、海面下で空母を護衛するはずの原潜が、米軍の期待通りの仕事をしていなかったことになる。

インペッカブルの那覇軍港入港に続き、原潜アッシュビルが11月1日に、原潜シーウルフが2日にホワイトビーチに短時間寄港している。
この3隻の沖縄の港への寄港は、26日の中国潜水艦の空母への接近を「許した」ことと関係するのではないだろうか。

コリーのその後の那覇軍港寄港も含めて、沖縄近海が潜水艦探知活動の密度の濃い海域になっていることは間違いない。

(RIMPEACE編集部)


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