ミサイルディフェンスの役者が揃った佐世保・沖縄
7月9日、ミサイル監視機RC135S(OF 62-4128)がトランジットで嘉手納基地に駐機していた
同日、ホワイトビーチに駆逐艦ジョンSマケインが寄港した(07.7.9 撮影)
ミサイル防衛の演習を、7月6日に米軍と自衛隊が合同で行った、というニュースが10日に流れた。日米のイージス艦
が参加し、ミサイル発射情報を共有し、ミサイルの追尾を行うという訓練だった。そして自衛隊の司令部や、嘉手納弾薬庫内に配備された
PAC3を運用するパトリオット部隊に、この情報を送る訓練だったとのことだ。
11日付朝日新聞夕刊は、この演習で横須賀配備の駆逐艦ジョンSマケインが日本海に派遣された、と報じた。ジョンSマケインは6月
30日から7月4日まで新潟東港に寄港、新潟出港後すぐにMD演習に加わったことになる。
7月9日、マケインが沖縄ホワイトビーチに寄港し、翌朝には姿を消した。この駆逐艦は嘉手納のパトリオット部隊とともに、沖縄に
飛来するミサイルを探知・迎撃する役目を、今回のミサイル防衛演習の中で負っていたのではないか。
ジョンSマケインのホワイトビーチ寄港とほとんど同じ時期に、ミサイル監視機RC135Sが嘉手納基地に飛来、また翌日には
ミサイル実験監視艦オブザベーション・アイランドが佐世保基地に入港した。空と海の「ミサイル監視の切り札」が揃って現れたことは
偶然ではないだろう。
ミサイル探知を専門とするRC135Sやオブザベーション・アイランドからも、探知のデータや軌道・落下地点の情報が出されて、
ミサイルを迎撃する駆逐艦や嘉手納のパトリオット部隊に情報が速やかに流れるかどうかの訓練も行われた、と見るのが自然だ。
今回のミサイル防衛の日米合同訓練で、関係する艦船や航空機の動きが佐世保や沖縄で目立ったのは、沖縄と北朝鮮を結ぶラインに、
米軍の探知センサーが集中して配置されていたためだろう。自衛隊を巻き込んだミサイルディフェンスの態勢作りは、主に沖縄の米軍・
米軍基地を防衛するためのものだった、という仕掛けが、今回の演習で姿を見せたような気がする。
(RIMPEACE編集部)
7月10日に佐世保基地に寄港したミサイル実験監視艦オブザベーション・アイランド (07.7.15 撮影)
'2007-7-15|HOME|