イラクから普天間に、大型ヘリ部隊の移動始まる



普天間基地にイラクからCH53D大型ヘリを運んできた超大型輸送機C5(07.11.6 撮影)

普天間基地に大型輸送機が飛来するのは、ヘリの移動の場合が多い。今回も2機のC5ギャラクシー・ジャンボ輸送機が 11月6日、7日と連続して飛来してそれぞれ2機のCH53D重輸送ヘリを普天間基地に下ろした。

8日付けの米海兵隊の発表によれば、岩国にUDP(部隊を交代させながら展開させる計画)で展開していたCH53Dが、岩国へのUDP を中断して2005年12月からイラクに展開していた。中断していたUDPを再開するため、10機のCH53Dと150人の兵員を近 く移動させるが、その第一歩が、普天間への4機のCH53Dの移動だ。

なぜ岩国に戻らずに普天間に移動したのだろうか。沖縄に展開する海兵隊の地上部隊との訓練を行うには、岩国よりも普天間にいたほうが 海兵隊にとって好都合なのだろう。岩国の近くに、沖縄の北部訓練場(ジャングル訓練場)のような施設はない。そのため、岩国に籍を おきながら実質的には沖縄で訓練を行おうというのが、岩国ではなく普天間にヘリ部隊が戻ってきた理由ではないか。

2002年の岩国配備に際して、防衛施設庁は「アジア太平洋地域における不測事態により迅速かつ的確に対応しうる態勢について、米軍 として検討が加えられた結果、緊急に必要になった」「テロ活動などの不測事態はもちろんのこと地震などの自然災害にも米軍が迅速かつ 的確に対応し得る態勢が整えられる」と地元自治体に答えている。(平成14年1月9日 施本第4号)

実際には2005年末からイラクに投入されたり、帰ってきても普天間に「途中下車」するなど、初期の配備理由が米軍の都合により どこかにすっ飛んでしまっている。「自然災害への対処」はどこに行ったのだろう。
防衛施設庁長官(当時)の角印が押された文書回答の中身は、CH53Dの配備さえ行ってしまえば、後は野となれ山となれ、という ものだったとしか言い様がない。だから米軍再編を進める際の現在の防衛省の説明についても「眉にツバをつけて」聞かなければならない という感覚はきわめてまっとうなのだ。

(RIMPEACE編集部)


'2007-11-9|HOME|