LFAソナー搭載艦2隻、那覇軍港に同時寄港


22日に那覇軍港に入港した音響測定艦インペッカブル


23日に那覇軍港に入港した音響測定艦コリー・ショウエスト(右)(08.1.23 撮影)

LFA(低周波アクティブ)ソナー搭載の音響測定艦2隻が、同時に那覇軍港に入港している。潜水艦搭載の攻撃兵器(魚雷など)の 射程外に米艦隊がいるときから、潜水艦を探知するシステムとして、このLFAソナーとパッシブ・ソナーを組み合わせたものがこの 2隻の音響測定艦には搭載されている。今のところ、この2隻しか装備していない。

浅い海域で、音の小さなディーゼル潜水艦を探知することを目指したこのシステムは、米軍の報告書によれば、琉球弧から台湾、フィリピン にいたる列島線の東側のフィリピン海で主に使用されている。
琉球弧の真ん中に位置する沖縄本島にある米軍基地は、この海域を哨戒する音響測定艦にとって、格好の補給基地となる。

インペッカブルは昨年11月12日に横浜ノースドックを出港している。同日、音響測定艦ロイヤルもノースドックを出港した。
12月後半に、インペッカブルとロイヤルは那覇軍港への寄港をほぼ同時に行ってる。そのロイヤルは、ホワイトビーチに18日に入港、 19日に出港している。インペッカブルの那覇寄港と1週間とはなれていない。
寄港時期の近さから考えると、インペッカブルとロイヤルはペアとなってフィリピン海を哨戒している可能性が強い。

コリーショウエストは、横浜ノースドックを出たのは12月10日で、先の2隻とは一ヶ月の差がある。しかし12月19日に那覇軍港 に寄港、そして今回の1月23日の寄港を見ると、12月以降、先の2隻と共同歩調をとっている可能性もある。

横浜ノースドックを実質的な母港とする音響測定艦が、那覇軍港やホワイトビーチを前進拠点として繰り返し使っているのは、最近の音響 測定艦の活動領域が沖縄周辺であることを示している。
12月にほぼ同時に那覇軍港に寄港したLFAソナー搭載艦が、一ヵ月後に文字通り同時寄港している。その長距離探知能力で調べる 海域が沖縄近海なのだ。この海域で、アクティブソナーを集中的に使って存在を調べる「静粛な」潜水艦の保有国もまた、絞られるという ものだ。

(RIMPEACE編集部)


'2008-1-24|HOME|