B52爆撃機、嘉手納に緊急着陸


嘉手納基地の滑走路近くで一夜を明かすB52H(10.2.6夜 伊舎堂 達也 撮影)
 

嘉手納基地に突然B52H爆撃機が着陸したのは、2月6日18時前のことだった。嘉手納の空軍によれば「シンガポールでのエア・ショウに参加するためにグアムから 飛んだB52が、空中給油ができずに燃料不足の恐れが出て、嘉手納に着陸した。給油をしてなるべく早くシンガポールに向かう」とのことだ。(地元紙2紙の記事)

グアムからシンガポールに向かう時に、トラブルが発生した地点がグアムやシンガポールより嘉手納に近いというのは、どういうことだろうか?
空中給油機は給油対象機のコースの途中で待ち受けるのだとばかり考えていたが、空中給油のポイントはもっと沖縄に近い空域に設定されているようだ。

沖縄近くで給油すれば、その先はシンガポールの場合もあるだろうが、もっと北に飛ぶコースの前半のレグ、という訓練設定だってありうるだろう。朝鮮半島に向かうコースの 給油ポイントまでの飛行を、エア・ショウ参加にかぶせて行ったと見るのは、大げさにすぎるだろうか。

96年6月にB1爆撃機が嘉手納基地に緊急着陸した。このときはインドネシアの航空ショウに参加する機体だった。やはり沖縄近くを飛んでいたとみられる。
このB1のケースでも今回のB52のケースでも、どちらも飛行コースの途中の緊急着陸空港として嘉手納基地が設定されていたことは間違いない。今回の緊急着陸で、大型爆撃 機が極東空域を飛行すれば、嘉手納に降りてくるこも事前に設定されている、ということが図らずも明らかになったと言える。

機体に問題が生じていなければ、嘉手納で給油をしてすぐにシンガポールに向かうはずのB52は、結局7日の離陸をあきらめたようだ。 6日に緊急着陸した理由のほかにも何か事情がありそうな離陸遅れだ。

(RIMPEACE編集部)


7日11時前に少し動いただけで移動をやめたB52


機体の近くで打ち合わせる空軍兵士(10.2.7 撮影)

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