音響測定艦エイブル、ホワイトビーチに寄港


ホワイトビーチの陸軍桟橋に着岸したエイブル(10.2.9 撮影)
 

2月9日午前、音響測定艦エイブル(T−AGOS 20)がホワイトビーチに入港した。
エイブルは昨年10月14日に横浜ノースドックを出港して以来、われわれの監視の網には掛かっていなかった。補給を受けずに任務を継続できる期間が約80日と言われ ているから、日本以外の港に一時寄港している可能性もある。

米軍の音響測定艦は5隻全部が太平洋艦隊のエリアで動いている。長期停泊をしてケーブル状のパッシブ・ソナーの点検などを行うのは横浜ノースドックだ。
これまでは5隻の音響測定艦が長期に寄港するのはほとんどがノースドックで、3隻、4隻の音響測定艦がノースドックに同時に寄港することもあった。
しかし、最近の音響測定艦の寄港は佐世保に集中している。それも10日前後の長期停泊が多い。

その中で、佐世保に寄港していなかったのが、このエイブルだ。
音響測定艦が中国の船に妨害を受けた、と09年3月に米軍が発表している海域は、海南島近くの南シナ海と黄海だ。この海域に現在音響測定艦が展開して、中国の潜水 艦のデータ収集を行っているとみられる。

佐世保に米海軍の音響測定艦寄港が集中しているのは、黄海や東シナ海での任務の途中での補給・休養のためだろう。
今回ホワイトビーチに寄港したエイブルは、これらの佐世保寄港組とは別の海域で活動していたのではないか。昨年10月には低周波アクティブ(LFA)ソナーを装備した 音響測定艦インペッカブルが那覇軍港から南西に向かっているのが確認されている。
LFAソナーのコンパクト版を装備するエイブルが、インペッカブルと交代して南シナ海に展開していたのではないだろうか。

(RIMPEACE編集部)


白いタンク車から燃料補給を受けるエイブル(10.2.10 撮影)

2010-2-11|HOME|