オスプレイ普天間配備の危険性を暴く

オスプレイのオートローテーション機能(下)

国防長官オフィスを支援するNPO、国防分析研究所の試験・評価部長を2009年3月まで務めた アーサー・レックス・リボロ氏は、同年6月の下院監査政府改革委員会の事前ヒアリングでオスプレイの問題点について述べた。3つのテーマのうちの一つがオートローテーションの問題だった。

「オスプレイがオートローテーションで安全に降りることが出来ないことは、オスプレイのメーカーも海兵隊も知っている。しかし、オスプレイが民間の輸送機だったら、連邦航空局の基本的な耐空性の要求を満たせない、ということの重大性はほとんど無視されている」

「オスプレイは航空機モードにすれば2つのエンジンが停止しても無事に着陸できる、という人たちは、自分自身をごまかしているか、意識的に事実を見つめていないかのどちらかだ。
オスプレイはヘリモードから航空機モードに移行するのに12秒かかる。その間に高度は(パイロットミスが全く無くとも)1600フィート下がる。したがって、ヘリモードで1600フィート以下の高度で飛行しているオスプレイが全パワーを喪失した場合は、大惨事を引き起こす。」

「ヘリモードから航空機モードに移行するのは、あまりにも危険なプロセスなので、オスプレイの飛行マニュアルでは、エンジンが60度より上を向いているとき(ヘリモードのとき、訳注)動力が喪失したら、パイロットはモード移行を試みてはならないと指示(推奨ではなく、指示!)している。
この場合、不可解なことに飛行マニュアルは、高度にかかわらずオートローテーションに入るように指示している。オスプレイがオートローテーションで安全におりられないことを十分承知の上で。」

以上がリボロ氏の事前ヒアリングでのオートローテーションに関する発言だ。
また、タイム誌が入手した国防分析研究所が出した2003年のレポート(リボロ部長の時代)には、オスプレイのオートローテーション機能の開発という孤独な試みは「惨めな失敗に終わった」と評価し、「テストデータは、オスプレイは恐ろしい降下率で地面にたたきつけられることを示している」 と記述されていた。(タイム誌2007.9.6「空飛ぶ恥」)

蛇足だが、外務大臣のいう「シミュレーターで訓練」とは、実機では危険すぎて訓練できないことの裏返しだったのだ。

防衛大臣や外務大臣のいう「安全な着陸を考慮しないもの」もあえてオートローテーションと呼ぶとするなら、「オスプレイにはオートローテーション機能は存在する、ただしこの機能を使っても、オスプレイは安全に着陸できない」ということになる。 (続く)

(RIMPEACE編集部)


沖縄海兵隊のオスプレイ配備に向けた資料より


2011-9-21|HOME|