オスプレイ普天間配備の危険性を暴く −4

普天間のヘリ旋回経路、はみ出し飛行の実態

2007年8月に防衛省がまとめ、関係先に配布した「普天間飛行場の危険性の除去に向けた取り組み」(以下、「取り組み」と略す) では、ヘリの旋回経路を飛んでいればオートローテーションで普天間基地の滑走路の近傍に安全に着陸できる、と強調されていた。 この当否はさておき、オスプレイの場合はそんなことが言えないことを、これまで検証してきた。

ところで、普天間基地所属の海兵隊のヘリは、「取り組み」で図示された旋回経路を本当に飛んでいるのだろうか?
基地周辺住民が見ている旋回訓練中のヘリは、基地のフェンスから大幅にはみ出した経路をたどっている。
宜野湾市の行った目視調査でもその実態は明白だ。
ここでは、はみ出し飛行の実態を、嘉数高台から連続して撮影した写真で確認する。






撮影日時 2010年12月10日、@:14時25分04秒、A:14時25分28秒、B:14時25分50秒、C:14時25分56秒
黄色い線は「取り組み」で図示された場周経路。オレンジの線は、CH53Eがこの時間に飛んだ経路

2010年12月10日14時20分過ぎに沖縄本島東海岸沿いに普天間基地にアプローチした海兵隊の重輸送ヘリCH53E(ET/24)は、14時22分に 滑走路の南西側エンドでホバリングした後、14時23分にはダウンウィンド・レグに入り1回目の旋回訓練を始めた。写真@〜Cの飛行後、 14時27分にホバリングの後2回目の旋回、そして14時31分から3回目の旋回訓練を行い、14時35分に着陸した。
2回目、3回目の旋回訓練の経路も、1回目とほぼ同じかやや内側をまわるものだった。

オレンジの経路を見れば、住宅密集地の上を飛んでいることが一目瞭然だ。
これでは、現在配備中の機種がオートローテーションで安全に普天間基地の滑走路に戻れる、という範囲を大幅に超えている。
防衛大臣は、オスプレイが現在のヘリの飛行経路を飛ぶ、と県及び宜野湾市に答えた。そのオスプレイが同じように大幅なはみ出しルートを 飛べば、オートローテーションを使っても安全に着地できないオスプレイがもたらす危険性は、これまでのヘリ飛行の危険性をはるかに 上回るものとなる。

(RIMPEACE編集部)


2011-9-30|HOME|