普天間基地ヘリ航跡図を読む 3


2010年12月のヘリ航跡図。滑走路の方向にまっすぐ伸びる航跡がGCAだ


GCAで北東から着陸するCH53(10.6.17)(左)と南西からアプローチするCH46(右)(10.12.10 撮影)

沖縄防衛局が発表した「普天間飛行場における回転翼機の飛行状況調査結果について」の2010年12月の航跡集約図には、 滑走路の端からまっすぐ伸びる航跡が多数記録されている。
GCA(Ground Controlled Approach、地上からの音声通信に従い着陸コースに入るアプローチ)による着陸やアプローチの航跡だ。 航空基地の訓練経路に必ず存在するGCA経路を、普天間のヘリも飛んでいることが航跡図に表れている。

大きく長方形に近い経路をたどるGCAトレーニング経路は、GCAボックスと呼ばれ、周回訓練経路よりずっと広くなっている。
米軍がオスプレイを西海岸の海兵隊基地に配備する前に提出した環境影響評価書の中のGCAボックスの図の一つが下図だ。ファイナル・ コースが直線で7海里、幅が3.5海里のこのコースを普天間基地の滑走路に重ねると、南は那覇市域のうえを通ることになる。

現行の普天間基地のGCA経路は、南側は那覇市の北部を通っている。ヘリの訓練経路でもあるが、普天間のKC130空中給油機、UC 12連絡輸送機、嘉手納から来るP3C対潜哨戒機などの固定翼機がヘリ以上に使用する経路だ。
もしオスプレイが普天間に配備されれば、この経路をたどってGCA訓練飛行を行い、那覇上空もオスプレイが飛行することになる。

(RIMPEACE編集部)


米海軍の環境影響評価書に載っている、ミラマー基地のオスプレイのGCAボックスの図。ミラマーでは一番小さい
ボックスだが、着陸前の直線コースは7海里(12.6km)ある。普天間基地の南西12kmとは那覇空港に重なる距離だ。


2011-10-25|HOME|