原潜ツーソン、音響測定艦と同時にWB寄港
3月10日にホワイトビーチの海軍桟橋に寄港した原潜ツーソン(SSN 770)
ホワイトビーチの陸軍桟橋に8日までに入港した音響測定艦ロイヤル(T-AGOS 22)(2012.3.10 伊舎堂 達也 撮影)
3月10日11時前に、ロス級原潜ツーソンがホワイトビーチの海軍岸壁に接岸した。このところ原潜がホワイトビーチに寄港することが多いが、ほとんどが沖合一時停泊で、接岸するのは
同じツーソンの1月10日の寄港以来だ。さらにその前のWB接岸寄港となると、2010年8月のルイビルまでさかのぼる。
沖合で、タグボートから数個の荷物を手渡しで艦内に積み込むのが、作戦行動中の原潜がWBに寄港する際の行動だ。数日間埠頭に停泊、それも2回続けて、というツーソンの動きには特別の任務
がありそうだ。
潜水艦のだす音を曳航ソナーで探知して、潜水艦の位置を特定することが音響測定艦の主な任務だ。味方の潜水艦の探知のされにくさを日常的に検証するのも、音響測定艦の任務となる。その訓練
中は必然的に原潜の動きと重なることになる。
ツーソンがWBに接岸する少なくとも2日前に、音響測定艦ロイヤルがWBに寄港している。3月の段階では、ツーソンとロイヤルが沖縄近海で「かくれんぼ」をしていた可能性が強い。
このツーソン、2月には1週間の佐世保寄港の後、佐世保への一時寄港を3回繰り返している。この時、ロイヤルは3週間の佐世保長期寄港の最中で、音響測定艦エフェクティブがツーソンと
九州西方の海域でともに動いていた可能性がある。
1月以降のツーソンの佐世保、WBへの反復寄港は、ツーソンが何らかの特別な装置のテストベッドになっていること、そして音響測定艦がその検証に一役買っている可能性を示している。
そして、その海域が米中の海軍力のせめぎあいの舞台となるであろう東シナ海であることもまた示しているのではないか。
ツーソンは12日午後、ホワイトビーチを出港した。2泊3日の滞在は、1月10日からの接岸寄港の時と同じだ。
(RIMPEACE編集部)
3月12日14時ころホワイトビーチを出港するツーソン(読者提供)
2012-3-13|HOME|