嘉手納の偵察態勢、核実験探知にシフト


核実験探知に関係する偵察機。左は大気収集機WC135、右はE8ジョイントスター
 

ロケット発射後も嘉手納からの偵察飛行を続けるRC135U科学情報収集機

嘉手納基地に4月14日にWC135大気収集機、15日にE8ジョイントスター偵察機が飛来した。WC135は、ウラン濃縮段階など核兵器開発に伴い 大気中に微量放出される放射性物質を収集・分析する能力があるといわれている。地下核実験の実施の際の「唯一の物証」収集・分析能力を持つとされている 機体だ。
またE8ジョイントスターは胴体下に側視レーダーを搭載し、移動中の車両などをとらえ、地上部隊の移動などを察知する能力をもつとされている。
「ミサイル実験」後に北朝鮮が核開発の再開する可能性に対する備え、もしくは偵察能力を誇示することで再開の動きを抑える狙いがあると見られる。

弾道ミサイルなどの飛翔体を赤外線センサーで探知し解析するRC135Sミサイル監視機が3機、発射前に嘉手納基地に展開し、発射に備えていた。また ミサイル追跡能力を持つと見られる、ガルフストリームの改装型も飛来して、4機で空からのミサイル探知体制を敷いていた。
16日昼過ぎの離陸でガルフストリームが嘉手納を去った。
RC135Sミサイル監視機も、再発射の兆候が見えなければ、ガルフストリームと同様に嘉手納を去るだろう。
発射実験後の嘉手納の大型偵察機は、放射線測定機能ももっていると見られるRC135U科学情報収集機とWC135、E8に入れ換わることになる。 軍の交信量などを調べるRC135V/W電子偵察機も、嘉手納に戻ってくる可能性が高い。

(RIMPEACE編集部)(2012.4.16 撮影)


RC135Sと一緒に行動し、ミサイル監視機能を持つとされるガルフストリーム改装機が、16日に嘉手納を去った


3機しかいないミサイル監視機RC135Sコブラボールが全部集まった嘉手納基地。


2012-4-17|HOME|