オスプレイ普天間配備の危険性を暴く −補足

リボロ元主任分析官、改めて語る

5月28日付け琉球新報1面トップは、オスプレイの分析を行ってきたリボロ氏へのインタビューだった。

「オスプレイ、安全性に深刻な穴」という見出しの記事は、オスプレイのオートローテーション機能の欠如について改めてその危険性を明らかにするものだ。

また、オスプレイが米連邦航空局(FAA)が民間機に対して要求する基準を満たしていないことに言及し、オスプレイはFAAの基準から逸脱した初めての軍用機だ、と指摘している。
燃料汚染で2つのエンジンが同時に停止する可能性があるほか、シャフトの火災によっても墜落するとも述べている。
「ヘリモードでいったんエンジンが停止してしまうとコントロールを失い、間違いなく墜落する」

このようにオスプレイ自体の持つ危険性について述べるとともに、リボロ氏はオスプレイの普天間配備に関しては「墜落の可能性は低い」と語っている。
その理由として、戦闘地域の飛行場ではないので危険度の高い操縦はいらない、陸上では行き届いた整備が可能、などをあげた。(以上、琉球新報記事より抜粋)

リボロ氏は、3年前の米下院の公聴会でオスプレイについて「揚力が設計値より低い」「オートローテーションの能力欠如」「戦闘機動能力の欠如」について証言している。普天間で危険度の高い操縦はいらない、というのは戦闘機動能力が欠如していても、空港の離着陸には差し支えないということと同義で、リボロ氏の分析は一貫している。
でもそれが、オスプレイの普天間配備は安全だ、ということにはならないし、もちろんリボロ氏もそんな主張はしていない。

2004年8月に普天間の重輸送ヘリCH53Dが沖国大キャンパスに墜落した。基地への帰還ルートをたどる通常のアプローチの途中でヘリが墜落した原因は、事故報告書によれば「整備のミス」だった。
中東に展開する強襲揚陸艦エセックスに普天間のヘリを載せるために、整備兵たちは過酷な勤務を続けて、疲労が蓄積していた。それが整備ミスの引き金になった。

オスプレイに限らず、普天間のヘリはディプロイメントの前後にきわめてタイトなスケジュールを押し付けられる。そんな状況下で、致命的な整備ミスは起きると考えなければならない。

その時に、ヘリの側の最後の安全手段がオートローテーションだ。リボロ氏は今回のインタビューの中でもそのオートローテーション能力がオスプレイには欠如している、と指摘する。最後の安全手段を放棄したオスプレイを普天間に配備することの危険性が、今改めて指摘されている。

(RIMPEACE編集部)


沖国大キャンパス、ヘリ墜落現場。半年以上たっても、建物にローターの衝突の跡、焼け焦げた樹木が残っていた(2005.3.17 撮影)


2012-5-29|HOME|