オスプレイが低空飛行ルートを飛ぶ−3

低空飛行ルートは攻撃訓練ルート その2


早明浦ダム湖に墜落したA6攻撃機が続けて飛ぶ予定だった3つの低空飛行ルート。ルートの名前は色の通り。
厚木基地⇒オレンジルート⇒イエロールート⇒岩国基地⇒パープルルート⇒鳥島射爆場(W176)⇒嘉手納基地
(オスプレイ配備のレビューの中の図の一部を切り出した)

在日米軍が複数の低空飛行ルートを組み合わせて飛び、そのあとで爆撃訓練を行う実態を、オレンジルートを飛行していた厚木基地の空母艦載機A6イントルーダー攻撃機の 飛行計画から明らかにする。

1994年10月14日午後、厚木基地所属の艦載機A6イントルーダーが、高知県北部の早明浦ダムのダム湖に墜落した。厚木の機体がなぜ高知の山の中を飛んでいたのだ、という疑問が出た。 A6はオレンジ・ルートという和歌山から四国山地を横断する低空飛行ルートを飛行中に墜落していた。

事故の2週間後に、米軍事故調査委員会が、このA6の属するVA115(第115攻撃飛行隊)の隊長に事故についてのインタビューを行った。飛行隊長のクンツ中佐は事故機の飛行目的を 次のように語っている。
事故が起きたのは、飛行の前半の2つの低空飛行ルートのうちの最初のルートの飛行中だった。2本の低空飛行ルートを飛んで岩国に着陸し、ホットピット(エンジンを止めずに給油する場所) で燃料を補給して離陸。別の低空飛行ルートをたどって嘉手納基地近くの射爆場W176(鳥島射爆場)で6個の模擬弾MK−76を投下した後、嘉手納基地に着陸する予定だった。

また第5空母航空団の毎日の飛行計画の一覧には、事故機がオレンジルート、イエロールート、パープルルートの順に飛行することが記されていた。

オスプレイが使用するとされる低空飛行ルートは、単独で使われることもあるが、何本ものルートを組み合わせて使われるケースが多い。西日本のルートの中心が岩国基地であることも図から 分かる。
第5空母航空団のの飛行計画一覧には、ブルー・ピンクという記述もある。中部から東北の2本のルートをつなげて1時間の飛行コースとして飛んでいる。グリーン・リプソーという記述は、 グリーンルートを飛んでから雨ヶ森射爆場に向かうという意味だ。
オスプレイも、低空飛行ルートだけを飛ぶのではない。岩国からオレンジ、イエロー、パープルの各ルートに。またキャンプ富士からブルー、ピンク、グリーンの各ルートに向かう際、相当 長距離の陸上飛行を行うとみられる。
オスプレイは爆撃訓練こそ行わないが、戦闘地域への強行着陸の訓練は、低空飛行ルートの飛行訓練と組み合わされている、と見なければならないだろう。

(RIMPEACE編集部) 


2012-6-22|HOME|