オスプレイが低空飛行ルートを飛ぶ−12

米本国の軍用機低空飛行ルート、国民への開示度は? その2


ロサンゼルス付近の25万分の一の航空図(FAA発行)。白い楕円のあたりを軍用訓練ルートが通る


軍用訓練ルートが集中するのは、ロスの北西部だ。白い文字のF,Gは下表のF,Gに対応する


上掲地図に描かれている低空飛行ルートの一つ、VR1265の記述。通過ポイント、ポイント間の許容高度、ルートの幅などが記されている

ここまで詳しく、訓練ルートを公表しているのが米本土でのやり方だ。一方、日本国内の低空飛行ルートは、米軍も、日本政府も公表していない。
なお、このコース(VR1265)の場合、最低高度は02、つまり200フィートとなっている。上限は1500フィートだ。上図のポイントFからGの間を、地上から200フィートの 高さで250ノット(時速約450キロ)以上で低空飛行できる、ということだ。
別のルートを見ても、最低高度が500フィート、というのは少ない。最低300フィート、200フィートというのが多い。本国で低空飛行訓練を行ってきたパイロットが、日本での制限を 越えて低く飛ぶのが目撃されるのも不思議ではない。

軍用訓練ルートの幅が原則として指定されている。VR1265の場合は、ルートの中心線、つまり各ポイントを直線で結んだ線の左右2海里(約3.6キロ)とされている。このルートの場合 は全区間で同じだが、各区間で5海里、2海里などとそれぞれ定める場合もある。
オスプレイの普天間配備のための環境レビューで米軍が明らかにしたオレンジ、パープルなどの低空飛行ルート(概要図のみ)では、ルートの幅がどのくらいあるか分からない。オレンジルート 飛行中に墜落した厚木のA6の事故報告書では、オレンジルートの幅は「定められていない」となっている。

(RIMPEACE編集部) 


2012-8-17|HOME|