陸上自衛隊が米海軍の揚陸艦で移動


ホワイトビーチに停泊中の揚陸艦トートュガと陸自隊員(右端)。後方に海自「おおなみ」 


陸自の車両からホワイトビーチの陸軍岸壁に降りてきた陸自隊員

8月21日から9月26日までの予定で、米海兵隊と陸上自衛隊普通科(歩兵)連隊の共同訓練が始まった。
訓練の場所は沖縄から米領グアムのアンダーセン空軍基地及び自治領北マリアナ連邦のテニアン島にかけての海域及び陸上とされている。

今回の訓練には陸上自衛隊西部方面普通科連隊(佐世保市相浦駐屯地)約40名と米海兵隊第3MEU(海兵遠征群)が参加する。
米国領を使った自衛隊の訓練はこれまでも陸上自衛隊の砲撃訓練などがワシントン州ヤキマ訓練場で行われてきた。
しかし今回の訓練の目的は「島嶼の防衛能力の向上を図るため」(陸上自衛隊広報資料)としているが、米海兵隊との共同した強襲上陸訓練ということで、 これまでにない実動訓練となった。

 この訓練では陸上自衛隊の部隊を米海軍の揚陸艦を使って海兵隊とともに「島嶼での作戦に必要な戦術・戦闘、相互連携等を実行動により演練」(同) するとしており、輸送・移動は佐世保に配備されている米海軍のドック型輸送艦トートュガ(TORTUGA LSD−46)が担当している。
トートュガは8月15日に佐世保を出港したのち8月20日に沖縄県・ホワイトビーチ基地の陸軍桟橋に接岸したが、ホワイトビーチまでの陸上自衛隊員 の輸送がどのように行われたのは不明。

昨年の東日本大震災の救援では米海軍の揚陸艦に陸上自衛隊の隊員が乗組んで活動をするケースもあったが、今回の訓練は「救援」という民生活動で得た 経験を「強襲揚陸作戦」という軍事にすり替えたもので、今後「軍隊」の民生活動への参加も将来は軍事目的に転用する危険性を明らかにしたものだ。

(RIMPEACE編集委員・佐世保)(2012.8.21 撮影)  


2012-8-21|HOME|