続・オスプレイ普天間配備の危険性 その2

緊急着陸は墜落と紙一重


米海兵隊のMV22オスプレイが、9月6日にノースカロライナ州で緊急着陸した。機体から煙が出ていて、一夜明けても緊急着陸した場所から動いていない、というから、計器の誤表示では なく、機体に現実の問題が生じていたとみなければならない。

オスプレイが他の航空機と異なるところは、エンジンと回転翼をユニットとして、飛行モードにより水平から垂直まで90度以上回転させることだ。油圧で動かすために、潤滑油が漏れれば エンジンの高熱部分に接して火災となる可能性が高い。
海兵隊機の事故データベースで見ると、MV22の事故はエンジン火災が目につく。翼端のユニットを油圧で動かすオスプレイの基本構造に起因していると言わざるを得ない。

今回のノースカロライナ州での緊急着陸も、煙が出ていたという目撃者の言葉から見て、エンジン回りの火災の可能性が大きい。緊急着陸は、あと一つファクターが加われば墜落事故 になりかねない危険な事態だ。
「墜落しなくてよかったね」とか「墜落ではないから重大な問題ではない」で済ませるにはあまりにも重大な事態だ。ことはオスプレイの基本構造に係ることだ。普天間配備のスケジュールのみを 気にしている「上の空の分析」ではなく、沖縄での飛行を許せばどんな危険性が出てくるかをきちんと分析することが、日本政府に求められている。

(RIMPEACE編集部) 


MV22オスプレイの事故一覧(A,B,Cクラス)。黄色のマーカーがエンジン関係事故(海兵隊事故データベースより)


2012-9-10|HOME|