横浜備蓄のLCU、戦時の動きをシミュレート(5)

2隻の陸軍LCU、フィリピンから那覇に戻る


那覇軍港の国道寄りの埠頭で荷卸し中の陸軍大型揚陸艇ポート・ハドソン(LCU 2035)

4月26日、2隻のLCUがホワイトビーチに寄港していた。その後この2隻はフィリピンに向かい、マニラ近くの湾内に5月3日から5日に、8日から9日にはさらに南のサンボアンガに停泊した。 2隻は米比合同演習のための輸送任務の一翼を担い、5月15日に那覇軍港に戻ってきた。

すでに3か月も輸送任務に就いているこの2隻のLCUは戦時備蓄の一部として横浜ノースドックに係留・保管されていた。この船が現役の艦船に登録されて、韓国からフィリピンまで弾薬輸送や 車両輸送などを行うのは、ノースドックに陸軍揚陸艇セットが運び込まれて以来初めてだ。

戦時備蓄の一部の船などを現役に戻して輸送船として使えば、オンザジョブでもって必要な機能を維持することができ、一方別の船をチャーターする費用が浮く。
パシフィックリーチ演習で横浜から韓国に展開したLCUなどは、戦時に向けて準備態勢を維持するための訓練を行った。LCU2隻は今回、他の部隊の参加する演習に加わり輸送支援を行った。 外部に支払うチャーター費用の節約と、部隊の準備態勢維持の「一石二鳥」の動きは今後拡大し、横浜NDで備蓄されている輸送艇が、現役の輸送船としてさらに使われることになるだろう。

それは横浜ノースドックが港湾機能だけでなく、輸送船の母港としての機能を拡大していくことに他ならない。

(RIMPEACE編集部)(2014.5.16 読者 撮影)


那覇軍港に僚艦と一緒に接岸しているコントレラス(LCU 2015)


2014-5-17|HOME|