横浜備蓄のLCU、戦時の動きをシミュレート(13/止)

陸軍LCU、WBで事前集積艦に直接車両積み込み


事前集積艦への積み込み作業を行うLCUポート・ハドソン(左端のマスト)(2015.1.20 読者撮影)


上記の作業を事前集積艦側から見たもの。ランプとランプを重ねて、LCUから車両を自走で移動させる(US Army Photo)

座礁する前の1月20日から22日、ホワイトビーチ(WB)に寄港した事前集積艦マティ・コーサックは、20日から車両やコンテナの積み込みを行った。その時、事前集積艦の後部ランプに自艦の ランプを重ねて、軍用車両を自走で積み込んだのは、那覇軍港に長期滞在している陸軍LCU(大型揚陸艇)ポート・ハドソン(LCU 2035)だった。
陸軍は、この積み込みを報じる記事の中で「LCUの新たな能力を証明した。将来の作戦で効果的に時間の短縮を図れる」と自画自賛している。

積み込みを終えていったん沖合に出た事前集積艦は、もう一度WBに戻る途中で座礁した。WBに戻って車両などの積み下ろしがうまくいくことを確認した後で、出港する予定だったのだろう。

この事前集積艦はどこに行こうとしていたのだろうか。車両の積み込みを支援したLCUは、2月1日にWBを出港、11日にはタイ湾に入った。コブラゴールド演習で使う物資を運んで 行ったとみられる。
座礁しなければ、マティ・コーサックもコブラゴールド演習に出かけたのではないだろうか?

マティ・コーサックは積み荷をWBで降ろした。その時に、那覇軍港に長期滞在しているもう1隻のLCUコントレラス(LCU 2015)が積み下ろしを支援したのではないか。
2月11日にこのLCUがWBに接岸しているのが確認されている。コントレラスは13日に那覇軍港に戻った。

今回のコブラゴールド演習に係るLCUの動きは、起点が横浜ノースドックではなく那覇だった。コントレラスも那覇を起点に1月中旬にフィリピン・ザンボアンガを往復している。横浜備蓄 の艦船が一時的に現役に復帰して輸送任務に携わった、というレベルを超え、結果として輸送艇10隻の部隊が横浜ノースドックや那覇軍港で立ち上がったことになる。

(RIMPEACE編集部)


LCUポート・ハドソンがタイに向かった後、WBに入港したコントレラス(LCU 2015)(2015.2.11 世嘉良 学 撮影)


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