中型タンカー、ホワイトビーチ寄港


ホワイトビーチの陸軍桟橋に寄港中のタンカー・SLNCパックス(2014.9.19 読者 撮影)


ホワイトビーチの陸軍エリアにある半地下式燃料タンク(2014.6.10 撮影)

9月19日に、中型タンカー・SLNCパックスがホワイトビーチの岸壁に寄港していた。このタンカーは9月初めに横須賀の燃料桟橋を離れて、三沢基地への燃料搬入の入り口・八戸港に寄港、 7日から9日に韓国ウルサンでいつものように燃料を積み込み関門海峡経由で12日に横須賀に寄港した。本州をぐるっと回りながらウルサンで仕入れた燃料を横須賀や八戸に届けるコースをた どった。
しかし13日に横須賀を出たSLNCパックスは定例コースを外れ、大阪・堺港のコスモ石油のバースに向かい、燃料を積み込みホワイトビーチに到着した。

米軍の燃料は大きく2種類に分かれる。海軍・海兵隊が航空機や艦船に使うJP−5と、空軍・陸軍が航空機や車両に使うJP−8だ。どちらも中身はほとんどケロシンだが添加物が若干違い、 空母や揚陸艦上での火災を警戒する海軍・海兵隊の使うJP−5の方が引火点が高い。

横須賀は東日本の米軍基地への燃料供給のハブとなっていて、厚木の艦載機や横須賀基地の通常動力の戦闘艦に使うJP−5も、横田や三沢の空軍機が消費するJP−8も貯蔵している。この2種の 燃料をホワイトビーチに届けるのなら、横須賀で仕入れて沖縄に直行すればいい。現にオンサンから14日に横須賀燃料桟橋に来た大型タンカー、アルパイン・マリーは翌日横須賀から沖縄に 向かった。行き先はホワイトビーチではなく金武湾の天願桟橋沖の注油ステーションだと思われる。

米軍の中型タンカーはこれまで何度か大阪のコスモ石油のバースに立ち寄っている。JP−5,JP−8以外の特別な燃料を仕入れるためなのだろうか?
それとも米軍の燃料購入のシステムに日本の企業も繰り入れられたのだろうか?

少しイレギュラーなコースをたどったSLNCパックスは、20日夕方にはホワイトビーチから姿を消していた。

(RIMPEACE編集部)


横須賀・吾妻島の燃料桟橋に停泊する大型タンカー、アルパイン・マリー(2014.9.15 撮影)


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