那覇軍港常駐のLCU、伊江島の訓練支援


那覇軍港⇒ホワイトビーチ⇒レッドビーチ ←(3回)→ 伊江島⇒那覇軍港。赤い航跡の区間で海兵隊物資輸送


上図の航跡で、ホワイトビーチに寄港したLCU2隻(2016.1.24 伊舎堂 達也 撮影)

米陸軍大型揚陸艇2隻が1月26日に伊江島の伊江港に入港した。
『(伊江)村などによると、米軍艦船の同港入港は「初めてではないか」としている。演習備品の運搬が目的。これまで米軍が伊江島に演習で使う物資を運搬する際は、民間船をチャーターしていたという。』(2016.1.17付 沖縄タイムス)

この2隻はコアモ(LCU 2014)とハーパーズフェリー(LCU 2022)で、金武湾のレッドビーチから到着して、その日のうちにレッドビーチに戻っている。
27日と28日にもレッドビーチと伊江港を往復し、29日にレッドビーチから伊江港に入港した後、那覇軍港に戻っている。

伊江島の演習支援のためのレッドビーチからの輸送航海の前に、ハーパーズフェリーは1月17日に、コアモは22日に、いずれも那覇軍港からホワイトビーチに移動した。そして24日にレッドビーチに移動して待機していた。

2014年から、横浜ノースドックに戦時備蓄されていた米陸軍大型揚陸艇が2隻セットで現役に編入され、韓国、広弾薬庫、タイなどに出かけている。そのうちの1隻が動力系の故障で那覇軍港に修理のために長期間滞在したのが2014年5月からで、それ以降14年末まで那覇軍港の船溜まりにLCUが停泊していることが多い。

2015年の6月以降、別のLCU2隻が現役化されて、韓国西海岸での兵站演習に参加した後、広の弾薬庫に弾薬コンテナを運んだり、フィリピンに出かけて、9月上旬にホワイトビーチに寄港、3,4日で那覇軍港に移ってきた。この2隻がコアモとハーパーズフェリーだ。その後は、コアモが一時横浜ノースドックを往復したが、ほとんど那覇軍港にいる。そして2016年1月に、海兵隊の伊江島での演習支援に県内で輸送を行った。

沖縄県内・県外を問わず、現役に戻ったLCUが、これまで民間船をチャーターしていた輸送を肩代わりして、米軍の「外注費削減」の実を上げている。そのLCUの輸送拠点が那覇軍港になりつつある。

高速輸送船ウェストパック・エクスプレスが那覇を拠点に動き回っているように、LCUが小規模な移動や物資輸送を那覇軍港を拠点に日常的に行うことになる可能性が大きい。
今回、伊江島への寄港で(やっと)注目されたLCUの輸送部隊としての動きは、すでに沖縄の内外で始まっていて、黙っていれば那覇軍港にその機能が固定化されることをしめしている。

(RIMPEACE編集部)


定係場所の那覇軍港船溜まりに停泊する米陸軍大型揚陸艇2隻(LCU 2014, LCU 2022)(2015.12.19 撮影)


2016-1-30|HOME|