オスプレイ事故の当事者・揚陸艦グリーン・ベイ、ホワイトビーチに寄港

8月5日、オーストラリア軍・米軍が中心となる多国間演習タリスマン・セイバーの中で、普天間に展開するオスプレイ部隊の所属機が揚陸艦への着艦に失敗して3人の兵士が死亡する 事故が起きた。事故機が着艦しようとしたのは、ドック型輸送揚陸艦グリーン・ベイ(LPD 20)だった。

強襲揚陸艦ボノム・リシャールとドック型揚陸艦アシュランドと艦隊を組んでいたグリーン・ベイが、一隻だけ先にホワイトビーチに戻ってきた。ホワイトビーチは沖縄海兵隊が揚陸艦 に乗って出撃する際の、兵士・車両・物資を積み込む軍港だ。

グリーン・ベイがホワイトビーチに入港したのは9月1日だ。横須賀基地の巡洋艦・駆逐艦が座礁事故や2件の民間船との衝突事故を起こし、第7艦隊の船が行動の見直しを課せられ、 横須賀基地では戦闘艦の出入りが半月以上ない。そんな状況の中で1隻だけ先に戻ってきたグリーン・ベイの動きは、オスプレイの着艦失敗事故の後始末と大いに関係があるのだろう。



ホワイトビーチの海軍桟橋ん停泊する揚陸艦グリーン・ベイ(左)。音響測定艦2隻も停泊中

グリーン・ベイが入港したホワイトビーチには、音響測定艦2隻も停泊中だ。インペッカブル(T-AGOS 23)は9月1日に入港、エフェクティブ(T-AGOS 21)は8月29日から入港している。
曳航ソナーで潜水艦の発する音をキャッチして潜水艦の位置を割り出す音響測定艦は、自国以外の潜水艦の動きを把握する米海軍のアセットだ。現在米軍は5隻の音響測定艦を持っている が、全部を太平洋西部のパトロールに投入し、佐世保が音響測定艦の母港的な存在となっている。

沖縄の港は、東シナ海、南シナ海に向かう基地として、音響測定艦の前進拠点となっているが、今回2隻の音響測定艦が同時に寄港していることからもわかるように、ホワイトビーチが 中核の前進拠点になっている。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)(17.9.3 世嘉良 学 撮影)


5隻の音響測定艦のうち、一回り大きいのがこのインペッカブルだ。低周波アクティブソナーを備えている


2017-9-3|HOME|