木更津の米軍オスプレイ・メンテ、仕切り直し


西太平洋に前進配備されたオスプレイの修理請負募集のFBO公告

「艦隊即応センター西太平洋(FRCWP)は、航空機のデポレベルのメンテナンス・修理・オーバーホール(MRO)の経験を持つ契約者を探している。契約者は西太平洋に前進配備されている 海兵隊・海軍オスプレイの定期・非定期MROを行う。
MROは契約者の施設内で行われる。契約者の所在国と合衆国との地位協定、および、飛行距離も募集のプロセスで考慮される。」

オスプレイのデポレベルの修理・点検を行う契約者募集の公告は、上記のような文面でで始まっている。
また、年間のMRO実施機数は5〜9機で、契約は数量未確定契約方式で行う。MROを受ける機体は、契約者の施設まで飛来してくる。
定期MRO以外の機体の修理に契約者のメンバーを急派派遣する。派遣場所は西太平洋および必要ならばその他の地域も,、という記述もある。
応募の締め切りは2019年1月31日だ。
契約者の施設として必要な空港施設(ヘリパッド、タクシーウェイ他)、修理用格納庫の大きさ、設備なども別紙資料として添付されている。

2015年11月に防衛装備庁が出した「木更津駐屯地における日米オスプレイの共通整備基盤について」では、整備内容、整備機数を
・ 5年に1度程度の間隔での分解点検
・ 内部構造を点検し、腐食・損傷等を修復
・ 不具合のあるユニットがあれば交換
・ 2回に1度の整備ごとに、塗装を塗り直し
・ 定期機体整備の対象となるのは、年5〜10機程度
などとしている。今回の募集公告の内容は、これとほとんど重なっている。

今回の公告は、今木更津基地内で行われているオスプレイ修理を、仕切り直しをして一から再設定する宣言と言える。

定期整備のためにオスプレイの1号機が木更津に飛来してから2年になろうとしているのに、まだテスト飛行のめどもたたない。仕切り直しをする気持ちもわからんではない。
ただこれは、修理を担当する企業の問題ですまされるのだろうか? オスプレイの修理のし難さが根底にあるのではないだろうか?

今回の募集公告には、修理する施設の満たすべき要件も入っている。これは、場所が木更津基地でなくともよい、ということだ。
例えば富士重工に代わって、空母艦載機のデポレベルのMROを行っている日本飛行機が契約者になった場合、オスプレイの整備拠点は今まで通り木更津基地になるか、厚木基地もしくは岩国基地 に変わることが予想される。

今回の公告の整備対象が海兵隊・海軍のV−22と表現されている。海兵隊のMV−22以外に、空母連絡機C2の後継機CMV−22オスプレイも整備対象になっている。岩国にC2に代わって CMV−22が配備されるのが、スケジュールに上っていることを示している。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


2018-12-28|HOME|