シュワブ埋め立てアセスは、うそつきアセス


2011.2.16会議資料の中の普天間代替施設の「完成図」


2010.2.4会議資料の中の普天間代替施設の「飛行場重ね図」

2010年2月、2011年2月に韓国で米軍関係の技術者会議が開かれた。米陸軍工兵隊太平洋部も、太平洋地域の米軍の建設計画などをブリーフィングした。
陸軍工兵隊は9つの地域に組織割がなされていて、韓国や日本の基地の建設は太平洋部が統括している。

2010年、11年のブリーフィング資料に「普天間代替基地」(辺野古の新基地のこと)の完成図が入っていた。新基地建設の主幹部隊の作った公式資料に、上掲の2つの図が含まれていた。
10年、11年の普天間代替基地の完成図には全くといっていいほど違いがない。キャンプ・シュワブの航空写真に新設飛行場を投影した図も、10年の図に意味不明の赤と青のラインが入って いるのが目立った違いで、あとは瓜二つだ。

この完成図の2008年版をスクープしたのは共同通信だ。広範囲な宅地などの開発計画について米側は防衛庁に情報開示を促した、という。(共同通信 2014.7.12 琉球新報)
2011年のアセスを見てもわかるとおり、防衛省は飛行場建設工事以外の工事は隠し続け、アセスでは国道の山側の演習地の宅地造成場所を「埋め立て土砂発生区域」とごまかした。
『沖縄防衛局は「土砂採取後は、区域内に多く生育する在来種を活用する緑化を行う計画だ」と回答、施設整備計画はないと答えた』(7.12 琉球新報)

アセス提出の1年前から、完成図はフィックスされていた。それが今回10年、11年の会議資料から言えることだ。それを11年末のアセス提出まで(1年足らずの間)に大幅に住宅などの 建設計画が変わって、兵士たちの居住場所がシュワブ外になるなんてことが、あるものか。
新基地建設の初期の段階からウソで固めたアセスを防衛省は提出した。確信犯に対しては、アセスの修正ではなく基地建設計画の撤回を求めるしかない。

(RIMPEACE編集部)

[資料]
Pacific Ocean Division Command Brief for 2011 Peninsula Engineer Conference 16 February 2011
Pacific Ocean Division Command Brief for 2010 Peninsula Engineer Conference 04 February 2010
普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価書の補正後の環境影響評価書 第 2 章 対象事業の目的及び内容


2011年末に投げ込み提出されたアセスの「公有水面の埋立ての事業実施区域」の図
上図で住宅や工場などが立てられる区域は「埋め立て土砂発生区域」としか書かれていない。


赤のラインで囲ったあたりが「埋め立て土砂発生区域」ならぬ住宅等建設予定地(2014.8.23 撮影)


2014-10-14|HOME|