辺野古アセス「評価書」を評価する

場周経路設定の危うさ・・・その2


米空軍嘉手納基地の並行滑走路に設定されたヘリ場周経路図
(KADENA AIR BASE INSTRUCTION 13-204 AIRFIELD OPERATIONS INSTRUCTION より)

辺野古アセスの評価書に記載されている普天間代替基地の有視界飛行の場周経路図によれば、ヘリやヘリモードのオスプレイの経路は、隣の滑走路の側に設定されている。この危険性について 前稿「場周経路設定の危うさ・・・その1」で述べた。

2本の並行滑走路を持つ嘉手納基地で、ヘリの場周経路がどのように設定されているかを、米軍による「嘉手納基地 INSTRUCTION 集」の中の図版で見てみよう。23R/5Lという符号は、 滑走路の方向が磁北から見て50度(北東)の時に左(LEFT)側、230度(南西)の時に右側の滑走路を意味する。嘉手納道の駅に近いほうの滑走路が23R/5Lで、その奥、管制塔に近い 滑走路が23L/5Rとなる。

大きいほうの経路も小さいほうの経路も、それぞれの滑走路から見て、隣の滑走路の反対側にひかれているのは一目瞭然だ。空中衝突の危険性を減らすために、場周経路を嘉手納基地のように 設定するのは至極当然のことなのだが、なぜか辺野古の新基地アセスでは危険性を増す方に設定されている。

嘉手納の経路図で斜めにパターンに入ってくるのは、基地に戻ってくるヘリなどの進入経路だ。これも隣の滑走路とは反対側から進入している。辺野古のアセスの経路図では(わざと)記入されて いないが、新基地への進入ルートが山側になることは容易に想像できる。その時の、辺野古集落などの爆音が酷くなることもまた、容易に想像できることだ。

(RIMPEACE編集部)


2012-2-9|HOME|