海洋調査船、ホワイトビーチから南シナ海に


2月8日、ホワイトビーチに滞在中の海洋調査船ボーディッチ

ボーディッチは向かって左側の海軍桟橋に停泊していた

この日、陸軍桟橋にいたのは海上自衛隊の護衛艦「すずなみ」だ(23.2.8 世嘉良 学 撮影)

米海軍パスファインダー級海洋調査船ボーディッチ(BOWDITCH T-AGS 62)が、2月6日から10日にかけて、ホワイトビーチに寄港した。

パスファインダー級海洋調査船は、潜水艦作戦のために海底の地形や潮流などを調査する測量船だ。
ボーディッチは2月10日にホワイトビーチを出港した後、南シナ海の奥深くに進み、ベトナムのダナンの沖、つまり海南島近くの海域に向かったようだ。
海南島には、中国海軍の原潜基地がある。米海軍海洋調査船が、その近くの海域で調査活動を行っている可能性があるということだ。
以下に述べるように、昨年にも、パスファインダー級海洋調査船がベトナムのダナン沖の海域に現れて2週間以上滞在したことがあった。


昨年は、ボーディッチを含めて3隻のパスファインダー級海洋調査船の日本の港への寄港が確認された。ボーディッチとマリー・シアーズ(MARY SEARS T-AGS 65)、そしてヘンソン(HENSON T-AGS 63)だ。
この3隻の、把握できた限りでの、昨年半ば以降の動きを以下にまとめておこう。

まずボーディッチは、昨年6月後半にフィリピンのスービックを出港した後、ホワイトビーチに寄港した。そして7月1日から2日までと7月25日から8月1日までの2回にわたって横浜ノースドックに寄港している。
その後、アラスカ湾に向かい、コディアックに寄港した。コディアックを出港した後は、ハワイに向かい、ハワイ周辺で12月初めまで活動している。さらに12月後半にはフィリピンのスービックに寄港し、今年2月初めまでスービックに滞在していた。

マリー・シアーズは、昨年8月1日にフィリピンのスービックを出港した後、横浜ノースドックに8月8日から14日まで滞在した。横浜出港後は、ボーディッチと同様にアラスカ方面に向かい、10月初めまでコディアックに滞在した。
コディアックを出港した後は、10月17日から21日まで横須賀基地に寄港した。
横須賀出港後はオーストラリアに向かい、12月後半までシドニーに滞在している。その後、今年1月にシンガポールに行き、2月前半まで滞在した。

ヘンソンは、昨年8月初めに韓国のブサンを出港した後、日本海方面に向かったようだ。その後、10月3日から7日まで横浜ノースドックに寄港し、さらに、10月10日から翌11日までホワイトビーチに寄港した。
ホワイトビーチ出港後は、11月7日から11月11日までフィリピンのスービックに寄港したが、その後、11月半ばから同月終わり近くまで、今回のボーディッチと同様に、ベトナムのダナン沖、すなわち海南島近くの海域に現れ、執拗に何度も行ったり来たりを繰り返している様子が確認された。
11月末にダナン沖を離れた後は、12月半ばから今年1月後半までグアム島に滞在した。1月23日にグアムを出港した後、2月6日にシンガポールに寄港している。

(RIMPEACE編集部 星野 潔) 


昨年10月17日から21日まで横須賀基地に滞在したマリー・シアーズ(22.10.18 木元 茂夫 撮影)

昨年10月3日、横浜ノースドックに入港したヘンソン(22.10.3 星野 撮影)


2023-2-19|HOME|