2隻の揚陸艦、ホワイトビーチに寄港
3月13日、ホワイトビーチに停泊中の強襲揚陸艦アメリカ(左)とドック型揚陸艦グリーン・ベイ(右)
3月11日、ホワイトビーチに強襲揚陸艦アメリカ(AMERICA LHA 6)が入港した。
続いて3月13日にはドック型揚陸艦グリーン・ベイ(GREEN BAY LPD 20)もホワイトビーチにやってきた。
この2隻にドック型揚陸艦アシュランド(ASHLAND LSD 48)も加えた3隻の揚陸艦は、陸上幕僚監部の発表によれば2月16日から3月12日までの日程で行われていた日米共同軍事演習「アイアン・フィスト23」に参加していた。
アイアン・フィストは、2005年に始まった米海兵隊と陸上自衛隊の共同軍事演習だ。
「離島」への着上陸やその後の陸地での戦闘など、米海兵隊の「水陸両用作戦」を陸自に導入するために開始された演習だ。2018年には陸上自衛隊も「水陸機動団」という「海兵隊」を発足させている。
2021年までは、「米国カリフォルニア州において第1海兵機動展開部隊(米国カリフォルニア州キャンプ・ペンデルトン所在)と共同して実施していた」(2023年1月27日陸上幕僚監部発表の「お知らせ」より引用)アイアン・フィスト演習だが、今回初めて日本で行われた。南西諸島などを戦場にする構想をよりあからさまに示したということだろう。
具体的には、広島湾での、ドック型揚陸艦グリーン・ベイや海自輸送艦「おおすみ」から揚陸艇LCACを発進させる訓練、大分県の日出生台での実弾射撃訓練、鹿児島県の喜界島での空挺訓練、鹿児島県の徳之島や沖縄県のキャンプハンセンやブルービーチでの水陸両用車や揚陸艇LCACを使った上陸訓練などが行われた。
グリーン・ベイやアシュランドは、上陸作戦の訓練においては揚陸艇などを発進させる役割を担った。
また、強襲揚陸艦アメリカは、「アイアン・フィスト23」の期間中、2月20日から23日にかけて大阪港に入港している。
昨年12月に岸田政権が一方的に「閣議決定」した「安保三文書」は、「民間施設等の自衛隊、米軍等の使用」(「国家安全保障戦略」)、「既存の空港、港湾等を運用基盤として、平素からの訓練を含めて使用する」(「国家防衛戦略」)などと、港湾や空港などの民間施設を積極的に軍事使用していくことを掲げている。今回の強襲揚陸艦の大阪入港は、早速、この「戦略」とやらを実行したということだろう。
(RIMPEACE編集部 星野 潔)(23.3.13 世嘉良 学 撮影)
左側の海軍桟橋にアメリカやグリーン・ベイが停泊。右側の陸軍桟橋には海上自衛隊の護衛艦が停泊
陸軍桟橋に停泊していたのは、むらさめ型護衛艦「ありあけ」のようだ
2023-3-17|HOME|