宮古島にある2つの衛星通信施設は何をしているのか

内閣府が管轄する準天頂衛星の「宮古島追跡管制局」。衛星の位置追跡や軌道修正等の業務を行なっている(26.5.17 木元 撮影)

準天頂衛星の運用業務は、「準天頂衛星システムサービス株式会社」が受託している。同社は資本金3000万円で、NEC府中事業場に事務所がある(26.5.17 木元 撮影)
1.準天頂衛星宮古島追跡管制局
準天頂衛星とは何か。
米国のGPSと同様の役割を果たす測位衛星で、「みちびき」と呼ばれている。
6月12日に打ち上げられたH-3ロケットに、6号機が搭載され軌道に乗った。5号機は2025年12月の打上げ失敗で喪失。現在は5機体制で運用している。
小野田紀美はこの時、「内閣府特命担当大臣(宇宙政策)として、我が国の基幹ロケットであるH3ロケット8号機の打上げの失敗及び「みちびき5号機」の喪失を重く受け止めるとともに、文部科学省やJAXAなどの関係機関と連携し、宇宙開発に対する信頼をより高められるよう、全力で取り組んでまいります」と表明している。
高市内閣は「みちびき」の早期7機体制実現、さらに11機体制を目指している。中国の北斗システムはすでに35機体制で運用されている。
「みちびき」は、長射程ミサイルの誘導には不可欠のシステムである。
2024年4月に内閣府宇宙開発戦略推進事務局が作成した「衛星測位機能の強化について」という資料には、「準天頂衛星システムでは、政府が認めた高度な安全保障を担う公的機関だけ(防衛省、海上保安庁)が利用できる暗号化された秘匿信号「公共専用信号」を配信している」とある。
2.潟Gム・シー・シー宮古島受信所
宮古島受信所は2024年に完成した。
エム・シー・シー社のホームページには、以下のような記述がある。
「自衛隊においては、目まぐるしく変わる安全保障環境や多様化する活動領域に対し、迅速かつ的確、さらに統合的な部隊運用が求められており、今後C4ISR(注C4ISR:Command & Control, Communication, Computer, Intelligence, Surveillance, Reconnaissance−指揮・統制・通信・コンピューター・情報・監視・偵察)の能力を一層向上させる必要性が防衛白書等の記述からも窺えます。私たち株式会社エム・シー・シーは、衛星通信の側面からそのような能力の向上に貢献したいと願っています」
「長年にわたり、我が国の防衛省・自衛隊に衛星通信回線を提供しています。通信に使われる衛星は赤道上高度36,000kmの彼方から静かに地球を見つめており、地上で紛争、災害、事故などのさまざまな事態が発生しても影響を受けにくく、つねに安定した通信回線を提供する能力を持っています。さらに、遠く洋上に浮かぶ護衛艦、海外で活動する自衛隊にも高品質な通信回線の提供が可能です。地表空間の制約を受けない衛星通信の特性は正に広域移動体通信に適しており、諸外国でも防衛通信の要として広く利用されています。とくに近年のNCW(情報通信ネットワークを中心に据えた戦闘)化の流れを受けて重要性は高まる一方です。私たちは24時間365日休むことなく衛星中継器の状態を監視し、異常があれば速やかに対応する態勢を整えています。高品質で安定した衛星通信回線を常時提供し、国家安全保障に貢献することが私たちの願いです」
このようにエム・シー・シー社は自衛隊に衛星通信回線を提供している会社だが、自衛隊はそれをどう使っているのか。また、どう使おうとしているのか。とても、気になるところだ。
(木元 茂夫)

株式会社エム・シー・シーの宮古島受信所。資本金4億円、日本電気、三菱電機、スカパーJSAT等が出資して設立。「Xバンド衛星通信回線の提供」等を事業としている。2024年完成(26.5.17 木元 撮影)

別の角度から見た「宮古島受信所」。右手後方の塔は、空自宮古島分屯基地。その延長線上にこの5つのドームは配置されている(26.5.17 木元 撮影)
2026-6-17|HOME|