木更津の米軍オスプレイ・メンテ、仕切り直し(3)

オスプレイは修理しにくい!

1機目のオスプレイが木更津に到着して間もなく2年、2機目のオスプレイが到着して半年、いまだに試験飛行すらできていない。木更津基地の格納庫は、修理工場じゃなくて解体工場だったのか な?
業を煮やした米軍は、仕切り直しのための業者募集のプロセスを開始した。業者を変えればなんとかなる、と考えているかのようだが、果たして....。

在日米軍のオスプレイは2件の墜落事故以外にも、大事故一歩手前の緊急着陸を何度も繰り返している。
大分空港に普天間基地のMV22がエンジントラブルで緊急着陸したのは2017年8月29日だった。エンジン交換が必要でしばらくの間大分空港に駐機する、と米軍から九州防衛局に連絡があっ たのが翌30日。
エンジン交換をして点検・整備して大分空港から離陸したのが9月8日。修理に11日間かかったことになる。

横田基地のCV22が2018年6月4日に奄美空港に緊急着陸した。オスプレイの奄美緊急着陸は、それまでのMV22の緊急着陸と合わせて4回となった。
このCV22の修理はさらに手間取った。エンジン交換などを行い1か月間奄美空港にとどまった。
エンジントラブルがエンジン交換となり、修理が長期間になった例だ。

極めつけが、木更津でのオーバーホールだろう。オスプレイ2機がそれぞれ2年、半年かかって再び空を飛ぶようにならないのだ。


琉球新報記事 オスプレイ、事故率突出 アフガン配備機、90時間に1件発生より

戦場では、オスプレイはシャキッととんだのだろうか?
アフガニスタンに配備された海兵隊航空機の事故率の一覧が2016.1.12付琉球新報に載っている。事故発生率が1000を超えるのも驚きだが、オスプレイの飛行時間の少なさにも注目したい。 飛行時間が少ないから事故率も高い数字になるのだが、なぜ飛行時間がCH53やAH1とくらべて二けた違うのか?故障したオスプレイを再飛行させるまでに修理することが、本国から遠く離 れたアフガニスタンでできなかったからだろう。

日本の空港でとん挫したオスプレイに部品を届けて修理するのにも時間がかかる。ましてアフガンの戦場では修理が放棄されても仕方がなかったのかもしれない。

オスプレイは、本国から離れた場所での修理がむつかしい機体だとみていいだろう。エンジンなどは本国から運んでくる場合が多い。デポレベルの修理を行うという木更津の「共通整備基盤」にも 十分な部品のストックはないようだ。

整備・修理という切り口でみると、オスプレイは海外配備や海外派遣に向かない機体だ。
普天間から、横田から引き上げるのが軍事的にも合理性があるのではないか。

(RIMPEACE編集部 頼 和太郎)


木更津基地に飛来した修理一号機。このまま2年間飛べなくなるとは米軍も思わなかったろう(2017.1.30 頼 撮影)


2019-1-2|HOME|