普天間、嘉手納とも緊急事態が多い


普天間のCH53Dヘリの墜落事故のあと、海兵隊の隊内紙オキナワ・マリンに、レスキュー隊の話しが載っていた。そこに、次の記述があった。CFRとは、Crash,Fire and Rescue の略語で、航空機などの事故のレスキュー担当の部隊を指す。
「CFR隊長は、今年に入って、16回の緊急出動があった、と話した。そのうちの大部分は、飛行中の航空機がエンジントラブルなどで、緊急事態を通告してきたものだ。」

8月までで16回ということは、普天間基地で一ヵ月に平均2回のエマージェンシー出動があったということだ。 嘉手納基地を続けて見ていると、一週間に1度は、航空機の故障などで、レスキュー・ハンガーから消防車が機体の回りに集まってくる。下の写真もその一例だ。一週間に1度というのは、実は控えめな数で、地元紙の社会面を丹念に追っていけば、1日に複数回あることも珍しくないことがわかる。

基地所属の機体数の違いや、外来機の多さからみて、嘉手納が普天間の倍以上と言うのは、なんとなく納得できる数字だ。
納得と言っても、緊急事態が多発することに納得しているのではない。緊急着陸50回で墜落事故が起きる、などという単純な条件ではないが、緊急事態が起きる原因は、機体の古さ、パイロットの疲労、整備の不充分さなどがからまっているのであり、重大事故につながらなかったから、ホッとしていいのではない。
緊急着陸は、一歩間違えば重大事故につながる事態だ。そんな事態が少なめにみても、嘉手納では週1回以上、普天間でもレスキュー隊の集計で一ヵ月に2回起きている。軍用機を運用する基地が、危険な存在であることの明確な証拠だ。

(RIMPEACE編集部)


着陸後滑走路の真中で動けなくなったF15を取り囲むレスキュー隊の消防車


結局、牽引車で修理部門に運ばれるF15(嘉手納基地、2004.8.31 撮影)


2004-9-7|HOME