日本政府もオスプレイの危険性を認識−3

オスプレイ整備基盤の木更津基地場周経路

木更津駐屯地における日米オスプレイの共通整備基盤の整備について(木更津駐屯地における米海兵隊MV−22オスプレイと陸自CH−47JAの騒音比較)という文書が、2016年4月21日付 けで防衛装備庁から出された。

「木更津市議会からは、オスプレイの整備開始に先立って、米海兵隊MV−22オスプレイと、木更津駐屯地に現在配備されている陸自CH−47JAの騒音比較を木更津 駐屯地において実施す るよう要請がありました。この要請を受け、下記内容により、米海兵隊MV−22オスプレイと陸自CH−47JAの騒音比較を実施することとなりました。」という前振りのあとで、どんなコー スを飛んで、どこで騒音を測るか、という図が示されていた。

実はこのオスプレイとCH47を使っての測定は、木更津市議会から要請がなかったということが木更津市民の追及で明らかになり、この企ては中止されている。
中止されて残ったものは、木更津基地でオスプレイが飛ぶ場周経路とヘリが飛ぶ場周経路の図だ。オスプレイが固定翼機用の西側の場周経路を飛ぶことが改めて示されている。

木更津基地の場周経路の高度と、普天間基地の場周経路の高度を比較したのが下図だ。オスプレイが飛ぶ高度は、普天間基地のヘリの高度より低い。


木更津は羽田に降りる民間航空の降下スロープに抑えられ、普天間は2000フィート以上を嘉手納の空域に抑えられている。

何度でも繰り返すが、普天間の固定翼プロペラ機の場周経路は、日本政府が日米合同委員会で改定の必要性を訴えた経路だ。オスプレイが飛ぶ場合にオートローテーションや滑空で基地の中に安全 に降りられないことを、日本政府が認識している。その普天間の経路よりもさらに低い高度でオスプレイを飛ばそうというのだ。

木更津基地を日米オスプレイの整備基盤にしていけば、合計40機ほどのオスプレイが入れ替わり立ち代わり木更津に飛来して、場周経路を飛ぶ回数も増える。高度の低い場周経路しか設定できない 木更津基地に、オスプレイの整備基盤を置くこと自体が危険なことだ。
自らが場周経路の変更の必要性を米側に訴えた日本の政府・防衛省が、どんなふうに考えれば、さらに低い場周経路の基地にオスプレイの修理機能を持ってこれるのだろうか。

(RIMPEACE編集部)


「木更津駐屯地における米海兵隊MV−22オスプレイと陸自CH−47JAの騒音比較」より


2016-6-13|HOME|