再度問う、オスプレイの危険性−1

離艦したオスプレイのエンジン停止。乗員一人死亡

2014年10月1日、ペルシャ湾北部を航行中の米軍強襲揚陸艦マキン・アイランド(LHD 8)から離艦した海兵隊のオスプレイ(MV−22)が、飛び立った直後に出力を失った。搭乗してい た兵士2人がオスプレイから海中に飛び降りた。一人は無事救助されたが、もう一人は行方不明になった。(のちに死亡が宣言された)
二人が飛び出した後、パイロットは機体の制御を得ることに成功し、このオスプレイはマキン・アイランドの艦上に戻った。(米中央海軍発表)

海軍安全センターは、この事故をクラスAに分類した。死者が出た、もしくは機体の損傷の修理に200万ドル以上かかるなどの事故がクラスAに分類される。

機体はかろうじて墜落を免れたが、この事故がオスプレイの持つ重大な欠陥のために起きたことは間違いない。オート・ローテーションで安全に着陸する機能が、オスプレイには欠けているのだ。 安全に着陸できないから、機内にとどまるよりも生還の可能性が高い機外への脱出を2人の兵士は試みた。

少なくとも飛行が許可されているヘリコプターなら、エンジンが停止した場合にオート・ローテーションで(機体が多少壊れたり、乗員がけがをしても)落下速度を緩めて、地面に激突することは 回避することができる。マキン・アイランドを飛び立ったのがCH53重輸送ヘリや、オスプレイに代わる前に配備されていたCH46中輸送ヘリだったら、離艦直後にエンジンが停止しても (その後、エンジンが再始動できなくても)強襲揚陸艦の甲板に無事戻れる可能性が大きかった。もちろん乗組員2人は機外に飛び出すのではなく、より安全な機内にとどまり、オート・ローテー ションによるハードランディングに備えただろう。

オスプレイが強襲揚陸艦を発艦する際に起きたロスト・パワーと、それに続く乗員の海中へのダイビングは、オート・ローテーション機能が欠如しているオスプレイの危険性を、改めて明らかにし た。

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島ぐるみの反対を一顧だにせず、オスプレイが沖縄に配備されてから3年目に入った。沖縄でのオスプレイの飛行は、配備の時に日米政府が合意した飛び方(飛行モード、都市部上空飛行などに ついての取り決め)を無視したものになっている。そして、初めは岩国、次に厚木や横田基地を拠点にオスプレイの飛行は全国各地に拡大している。

陸上自衛隊へのオスプレイ導入、普天間のオスプレイの修理拠点に日本政府が木更津基地を売り込むなどの動きも明らかになってきている。改めてオスプレイの危険性を声を大にして叫ばねばなら ない。

(RIMPEACE編集部)


強襲揚陸艦マキン・アイランドから発進するオスプレイ(US NAVY PHOTO より, 2014.9.11)


2014-11-17|HOME|