シリーズ・沖縄の基地を視る(115)

大型偵察機、嘉手納に集中


嘉手納基地に展開しているRC135偵察機3機(白い機体)。左がU型、他の2機がS型


フォールイーグル演習に時期をあわせるように嘉手納に展開した真っ黒な機体のU2高高度偵察機
(08.3.15 撮影)

嘉手納基地にミサイル監視機RC135Sが2機飛来したのは2月10日過ぎだった。ほぼ1月後にRC135Uコンバット・セントが 嘉手納に飛来、ミサイル監視能力を持つ特殊な偵察機3機が集まった。
RC135Uとほぼ同じ時期に、韓国から「黒いジェット機」U2高高度偵察機も飛来した。

これらの偵察機は嘉手納からミッション・フライトを行っているが、これが朝鮮半島付近に飛んでいるとも思えないふしがある。
ミサイル監視機の場合、4月上旬の「人工衛星打ち上げ」まで間があるし、連日のようにミサイル発射を警戒して飛行する時期ではある まい。
U2のほうも、なぜオーサンから飛ばないのか、という疑問が残る。

米海軍のミサイル・ディフェンス・システム搭載艦の多くが横須賀を出港している。ロケット発射のキャッチと追跡を目指して、それぞれの ポイントに展開していることが想像されるが、船と違って監視の即応性が高い偵察機が、なぜ今から嘉手納に展開して飛行を繰り返して いるのか、という点に若干疑問が残る。
「北のミサイル対応」という仮面の下で、現時点ではどこか別の地域の出来事を監視している可能性も、それほど小さくはないだろう。 沖縄が西太平洋の「キーストーン」であることが、嘉手納に展開している偵察機の任務の多様性にも関係してくる。

(RIMPEACE編集部)


2009-3-19|HOME|