シリーズ・沖縄の基地を視る(12)

嘉手納基地で、1日に2件の緊急着陸


2機編隊で飛んでいた救難ヘリHH60が嘉手納基地に緊急着陸した(05.3.15 撮影)


機体後部のフックを滑走路のワイヤーに引っ掛けて止まったF15(05.3.15 撮影)

軍事空港(基地)には緊急着陸がつきものだ。墜落や機体の破損で大々的に取り上げられる以外にも、消防車が待機する中を、他の飛行機の動きを止めて降りてくる緊急着陸は数多い。
米軍は「予防着陸」などと緊急性を薄めた言葉を使うが、着陸時の事故一歩手前の緊迫した光景が、予防などという甘いものではないことを示している。

3月15日、嘉手納の道の駅から基地を見ているときに、続けて2件の緊急着陸が発生した。11時過ぎに救難ヘリHH60の2機編隊が離陸して、北部方面(辺野古の方向)に向かった。2時間後、通常より低いコースで戻ってきて、黄色い消防車が待ちうける中、着陸した。1機は20分後にはまた離陸したが、もう1機は、この日はもう飛ばなかった。

次は17時前に2機編隊で戻ってきたF15のうちの1機が、アレスティング・フックを使って着陸した。この場合は主脚に問題があったと見られる。着陸前も滑走路を横切るような飛び方で、脚のチェックをしていたようだ。

2回とも大事にはいたらなかったが、もうひとつ何か歯車がずれれば大事故に結びつく。基地があるゆえの危険は、事故寸前の形で周辺住民に忍び寄っている。

(RIMPEACE編集部)


2005-3-23|HOME