シリーズ・沖縄の基地を視る(120)

北朝鮮の貨物船追跡と嘉手納のP3C


17日、P3C駐機場にいた2機のうち1機が訓練飛行のために滑走路に向かう




19日午後の嘉手納基地。P3Cが1機離陸、2機着陸。一番下が"LN 770"

北朝鮮の貨物船を米軍が上空から追跡中、と米統合参謀本部議長が18日の記者会見で語った。
報道によれば、米軍機はP3Cで、駆逐艦ジョンSマケインも貨物船を追尾中とのことだ。

海面探索レーダーを装備し、長時間の哨戒飛行が可能なP3C対潜哨戒機が、1隻の貨物船の動きを追跡するのに適した機体であることは 間違いない。
おそらく人工衛星で監視をしていて、大型の船が17日に出港するのを確認し、P3Cが船名を確認して追跡を開始し、佐世保から出港し たマケインがインターセプトして追尾を始めた、という流れだろう。

黄海に面した港を出港して東シナ海から南シナ海に向かう船を監視する米軍のP3Cは、嘉手納基地に派遣されている機体以外にない。
14、15日の嘉手納基地には3機のP3Cが駐機していたのが確認されている。17日昼、そのうちの1機(LN 770)が姿を 消していた。最初に北朝鮮の貨物船の監視に出かけたのは、この"LN 770"である可能性が大きい。

CARATのフィリピン・フェーズに参加していた駆逐艦ジョンSマケインは、次のシンガポール・フェーズから別の駆逐艦と交代して6月 15日午後、佐世保基地に入港した。そして17日午前中に佐世保を出港した。西太平洋にいる米駆逐艦のうち、二国間訓練に参加、もし くは空母と行動をともにしている船を除くと、貨物船を追尾するのに一番近い位置にいた、というのがマケインに白羽の矢が立った理由 だろう。

(RIMPEACE編集部)


15日午後佐世保基地立神8号岸壁に寄港した駆逐艦ジョン・S・マケイン(09.6.16 撮影)


2009-6-21|HOME|