シリーズ・沖縄の基地を視る(13)

嘉手納基地の「P3C爆撃機」


左翼にマベリック、右翼にハープーンの摸擬弾を下げて離陸地点に向かう米海軍P3C(05.3.16 撮影)


逆向きの滑走路の手前で待機するミサイル付きのP3C(05.3.16 撮影)

対潜哨戒を主な任務とするP3Cが、爆弾やミサイルも装備することは、カタログデータとしては知っていた。しかし、摸擬ミサイルをぶらさげて訓練に出発するP3Cを見たのは初めてだった。

機首方向左の主翼の端にはマベリック対地ミサイル、右にはハープーン(もしくはその改良型のSLAM)対艦巡航ミサイルの摸擬弾を下げて、US NAVYのP3Cが2回、嘉手納基地から離陸した。離陸は使用中の滑走路の向きと反対方向の滑走路だった。3日間続けて嘉手納基地を見ていたが、逆方向に飛んだのは、空自のホットスクランブル機と、患者輸送機、それにミサイルを抱えたこのP3Cだけだった。陸上飛行をなるべく避けて、離陸後すぐに海上に出る方向を選んでのミサイル搭載の訓練だったのだろう。それだけに、爆弾やミサイルを搭載する局面が訪れそうなリアリティーを感じる。

嘉手納基地のウォッチャーによれば、これまでたまにしか見られなかったP3Cへのミサイル搭載が、最近はよく目に付くとのこと。
「足の短い」戦闘機よりも、対空時間の長いP3Cにミサイルを積むことは、対空ミサイルを持たない調査船や作業船に対するオドシとしては、有効なのだろう。東シナ海の天然ガス試掘ポイントや台湾海峡での飛行を念頭においた訓練と見られる。

(RIMPEACE編集部)


翼下につけられた摸擬ミサイル。マベリック(左)とハープーン(05.3.16 撮影)

2005-3-24|HOME